影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
優しいコメントは大歓迎です。
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合コンに行ったらとんでもないことが起こりました
 鷲宮だいじん     メディアワークス文庫


この小説は、題名そのままですね
とんでもないことが、どれほどのものなのかを感じる小説ですね。
題名にしてネタバレしているのですから、どんだけのもんないかい。なんですが、登場人物が限られていること、状況も限定されているので、犯人も推定し易いものであります。
主人公の桜田くんも、誰が合コンの彼女だったのか予想しています。
それで正しいのか。
この先はネタバレで言っちゃたらダメなのかな

アマゾンのレビューでは

22歳童貞だったぼくは、あの合コンで彼女と出会った。ぼくの理想を体現した可愛い女性、“汐野希”。ぼくたちは合コンを抜け出して、二人きりで飲みに行った。流されるままに、ぼくは初めてのキスを奪われた。だが、やがて判明する。汐野希という女性は合コンに来ていない。ぼくがキスした彼女は、“汐野希”になりすました誰かだった。―そして、ぼくの日常は“汐野希”に浸食されていく。味方は誰もいなかった。得体の知れない存在に、ぼくはすべてを奪われる。乾杯の向こうには、狂気だけが待ち受けていた。

ホラー風味ですなあ。
超次元な出来事は起こらないはずなんだけどねえ

個人的な感想と言えば、桜田くんが助平根性を持って合コンに出かけたのが一番悪い。
社会人一年目なんだから、そわそわしているのは仕方ないけどね。内容の三分の一くらいは合コンを楽しんでいるだけですから、そこだけ楽しむでも良いのかも
ドッグオペラ
近藤信義    メディアワークス文庫 


何気なく手に取ったものを読んでみました。
全くの先入観無しで読んでみました。

さすが、メディアワークス文庫ですね。非常に風変わりな小説です。ぶっちゃけ、やくざの抗争ものプラス異能ものでして、ハードボイルドです。
たっぷり500ページを超えておりますし、読み応えも十分あります。
何処の層向けの話なのか、分かりずらいです。
おっさんの自分としては、十分ありなんですが、普通のおっさんでしたら、もっとお色気が無いとダメですし、若い読者には、意外と受けるのか。

それに、この小説は、会話も、設定も不自然な部分もありまして、読みにくいのも事実でしたが、その不自然な流れに魅力がある話でもあるのも事実でした。
ラストでは、悲劇的な終わりを暗示するところで、おもろに終わっているのは、作者の美学が反映しているのでしょうか。

読んでみて十分面白かったから個人的には満足です。
ですが、く突っ込むたくなるところの多い物語でもありました。
憧憬の先にあるもの

憧憬の先にあるもの  水鏡希人  メディアワークス文庫



この本は力作だと思いました
遠い未来を舞台にしているのですが、手塚治虫の「火の鳥」の未来編とよく似た世界で話は展開していきます
この世界では、異形の怪物たちに絶えず脅かされる人類を描いていますので、手塚作品とは違った世界なんですが、テイストは似ているような気がしました。

ただし、盛りつけられて風俗は、現代日本のものだったりするのが、面白いところですね。チャンポンなんですねえ
遠い未来なんだから、考えも今の人と大きく変わっていて当たり前なんですが、そこはそうならない。
ここのところに、自分はバランスの悪さを感じたのだけど、話の面白さからすると、どうでも良いところかも知れませんね。

水鏡先生の本は、細部に力が籠もっているので、引き込まれて読んでしまいましたし、主人公の考えに共感できるし、主人公たちのこの後も読んでみたいと思いました、
超能力者のいた夏
超能力者のいた夏  寺本耕也   メディアワークス文庫


この本は、異能ものなんですけど、普通の青春小説ですね
せこい超能力者たちが隔離された学園の話なんですが、そこに特別な能力を持たない主人公が放り込まれてしまうんですね
気になる女の子がそこいにいて、悶々としつつ、過去の出来事も回想しながら、話は進行していきました。
思うようにはいかないし、出てくる登場人物たちは、何処かバカっぽいのは、リアリティがありますね。
変に悟って奴がいないのは、良いですねえ
ただし、そこのところを持って、纏まりがいように自分は感じもした

等身大の青春物語なんでしょうなあ 
ハイドラの告白

ハイドラの告白   柴村仁  メディアワークス文庫

「プシュケーの涙」の続編みたいなのが出ているのを見かけた。
あの話には、あれからどう展開していくのだろう。とか思って読んでみたのですが、
主役が同じの違う2つの話を収めたものでした。

2つに話は、全く相関しないのですが、多少繋がっているというのでしょうか。
趣が違う話なので、繋げては語るのは難しいですね。

由良兄弟は、淡々と生きていますし、人と積極的には関わらないスタイルでいながら、係わってくるんです。
社交性を隠れ蓑にできる、複雑なデーモンみたいな存在。

最初の話では、ここぞというところで、由良くんは謎解きをしました。
ちょっと意外な結末に驚いた。そこに落としますか。
偽画家と二人の画学生の話ですが、お互いの関係は奇妙なものでした。
猫のシンタロウとねうちゃんが可愛いです。

二つ目の話は、従妹が由良くんへ恋心を綴る話。そのままやん。
揺るぎない恋心。
これは多くの人が望んでも得られない境地なのかも知れないですが、ここの一族は、そういう余人にはないモノを持っています。
そこは、「プシュケーの涙」のところからずっとそうです。
透明な何か。この物語の魅力なんですが、お腹が膨れるものではないですね。
自分は、この本は満腹しないで、すっきりした読後感を覚えた。
ガッツリ読みたい人には、物足りないでしょうねえ。

探偵・花咲太郎は閃かない
探偵・花咲太郎は閃かない  入間人間  メデイアワークス文庫


メディアワークス文庫を続いて読んでみました。
題名に探偵とあるので、これが面白そうだなと気楽に考えて、手にしたのですが、この作者の本は、自分がかって地雷だった作者さんでした。
しまった。
この作者は、こういう人だったんだ。

今や人気作家の入間先生の本は、読む人を選びます。万人受けを狙っておりません。
自分は、どうして、また地雷を踏んでしまったのだ?
読んでみると、いやいや、けっこう面白いかも。
題名に探偵とあっても、まともな人に対する探偵を放棄した主人公だし、ロリコンです。
そもそも、ロリコンを公言できることが変と言えば変。
そういう習性をすんなり受け容れられていて、助手らしき中学生の美少女もいる。これは羨ましいかも?

いくら面白くないことが周辺に多くても、心を安らげる人がいれば、それだけで幸せ。
そうなんですよ。探偵花咲さん。幸せ回路が、発動しまくりで活躍してます。
本来の仕事は、二の次だし、まともに事件を解決しようとする意志すらないにしてもです。
盲目的な衝動というものにつく動かされているのでしょうか。(なんなだそれは、昔の哲学者はこんなこと言ってなかったけ)

この本は、5つの話で構成されていて、冒頭の話で出た殺し屋さんは、最後の話で再登場してます。
自分としては、2話目の「残酷ペット事件」が面白かった。結末が意外だし、犯人の動機も、そうなんだ。というものでした。
探偵の本職そのものには、本領を発揮していないに係わらず、結末はそうなっってしまった。怖いですねえ。

人間関係は愉快ですし、それほど深刻(いやいや深刻だろ)でない、軽妙な話であって面白かったです。
ガーデン・ロスト
ガーデン・ロスト   紅玉いづき   メデイアワークス文庫


メディアワークス文庫が昨年末に創刊されたことは知っていたのですが、乗り遅れてしまいました。
興味はあったのですが、どうして手に取って来なかったんだろう。
このレーベルで、最初に読むのは、電撃文庫の「ミミズクと夜の女王」の紅玉先生の本にしようと思いました。

普通小説ですよね。登場人物には特殊な能力もないし、極端な設定もない、ありふれた4人の女子高生たちの話です。
まず指摘しておきたいのは、4人の独白をそれぞれ主にする話があるのですが、明確に描き分けができてます。
それぞれの個性がくっきり出ていますし、各話には、相関関係もあります。
良くできた話なんです。

そして盛りつけられた話は、題名の通り、ビターな話です。

こう言えば端的な指摘になってしまいますが、彼女たちが高校を卒業し大人になれば、忘れてしまうような話でもあります。
厳しい言い方をすれば、取るに足らない話とも言えます。

大人になっても、思春期の思い出を宝物にするというのは、現実には偽善的ではありますよね。
誰しも、思春期には、楽しい思い出ばかりではないはずだし、辛いことの方が多かったはずなんですね。
見知らぬ社会に出なければいけない不安の方が、多いであろう時期でもあります。

それがいつしか、誰しも、その時期が、楽しかったことばかりだったと思うようになる。
そこには、記憶のすり替えがあるはずなんです。
この物語は、そのすり替えられる前の生の心情を告白したものです。

彼女たちは、排他的な生き物で、ある種、傲慢ですし、不安定でもあります。
好きという気持ちを、ふわふわして掴むことができません。
本当に好きなのか、自らに問うても答えを見つけることができず、仲間同士に気付かれても、お互いはっきりそれがそうなのかも理解はできません。
糾弾とかばい合いがそこにあったりするのですが、それで理解を共有できたとは、お互いは思っていないんです。
そのことは純粋であった時期であり、それこそがかけがえのないものなんですが、当事者には苦しいばかりです。

ある種の誤魔化しと、諦め、納得。そういうものを、心の中で整理していくんですね。
その中には、彼女たち自身気付いていない本当の心が見え隠れする。
そういう書き方をこの小説はしていました。

おっさんの自分は、揺れ動くその心を追っていき、その不安定な心に、シンパシーは感じない、というか、もう理解できなくもなっているので、その行き着く先を想像しながら読んだのですが、たどり着くところは、想像した先とそんなに違わなかった。
鬱蒼とした、前途にない小道でも、迷いながらでも前に進んでいけば出られるということなんでしょか。


・  私は、私達はいつも誰かの特別になりたい。


・ 私達はいつも、たくさんのことをわからないふりをしている


・ 新しい王子様がきっとママの隣りにいるんだろう。
ママが美しい限りね。


・ 魔法使いはどこにもいない。なにもかも、自己責任だ。