影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
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真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生
 大沼紀子   ポプラ文庫


真夜中のパン屋さんも三冊目になりました
今回も、新しい登場人物が出てきました。ですが、どこぞで繋がっている人物たちなので、物語の奥行きを深くしているみたいですね

つぎつぎ起こるトラブル、人為的に招いたものであり、混乱する動機、いろいろややこしくなっているのですが、登場人物たちの感情の移り変わりを丁寧に追っているので、読みにくくはなてちませんが、けっこう暗い話ですねえ
当初から、ずっと暗い話が多かったのですが、今回もそうですね
一見明るい転校生の孝太郎 くんが、実のところ問題を抱えていて、主人公の希実さんも巻き込まれて、でも、おいしいパンがあれば何とかやら
その希実さん自身の話も、これから広がっていく予感でこの巻は終わりました

弘基さんが、そんなに猫に癒されるなら、いっそうのこと猫を飼ちゃえばいいと思ったのだけど、どうなのだろう
ウィンター・ホリデー
 坂木司    文芸春秋 


坂木先生の本をまた読んでみた
少し嵌ってしまったのかな

この本は、宅急便のドライバーの日常なんですけど、その主人公であるドライバーが、元ヤンで元ホストで、別れた彼女に自分の子供がいたりしてと、周辺は賑やかです
がやがやとした人間関係が繰り広げられていますが、基本的に良い人ばかり、クレイマーと思われた客も、主人公の誠実な対応に、素直に納得してくれます
現実も、こうだったらいいのになあ。とも思わせるのですが、物的な財産を持たないもの、体を動かし、真摯に対応するしかないものが、最強。
これは真実でしょうね
素直の謝ることの難しさ、自分の非を認める難しさ。ここのところは、誰もが日々向き合っている問題ですもんね
この本の主人公たちのように、単純に素直に行動できるのは、若さがなせる業ですが、精神が若くなければ、年齢が若くても、こいういう行動がきませんしね
こういうところは、考えさせられました

「和菓子のアン」にも登場した桜井さんも出てきたのは、嬉しい驚きでしたね
真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒
 大沼紀子    ポプラ文庫


一巻が面白かったので、2巻も読んでみました

表紙からすると、軽い話のように思われますが、結婚詐欺、一家離散に纏わる話でしたね
宮部みゆき先生の名作「火車」とよく似たテイストの話なんですけど、登場人物の双子の美女の一方の綾乃さんのキャラが、陽気なので、そでほど暗い話のような気がしませんでしたが、ヒロインのはずの希実さんは、目立ちませんでした
おいおい、誰がこの物語の真の主人公なんだとも思いました

題名、表紙のお気軽感と違い、真面目に人生について考えさせられる本なんですけどねえ、本屋で、この本を手に取る人は、気楽に読める、楽しい話だと思うのだろうなあ
確かに、そういう話なんだけど、良い意味で、少し違うなあと思ったりするところは、売り手の戦略なのかしら
一巻の時と同じようなことをまた書いてしまいました
真夜中のパン屋さん  午前0時のレシピ
 大沼紀子     ポプラ文庫 


近くの本屋で、ペップを派手に出して、大々的の推している本を読んでみた
表題からして、能天気な小説なのかしらと漠然と思っていたのでしたが、内容は、けっこうヘビーなものでした
中心になる話は、主人公の児童放棄された子供たちの生き様を描いている話でした
それでは、「永遠の仔」と同じじゃないか。なんですが、どこぞに、ほのぼの感が漂ってます
それは、主にパン屋の主人の暮林さんのせいなんだと思うのだけど、その癒しパワーは、凄いかのかも知れませんね

この本は、ライトな感じがする題名、表紙の絵に騙されそうになりますが、現代の世相に生きる子供たちの日常が、けっこうハードで、生きていくのは、サバイバルでもある
受験勉強などは、大したことではにと悟れるような話でもありますねえ

この本は、シリーズ化されているみたいなので、読み続けていきたい本では、あります

それにしても、主人公の女子高生の望美さんの色恋沙汰が、ほとんどない話の作りっていうのも斬新ではありますねえ
和菓子のアン
 坂木司      光文社文庫


この前読んだ「大きな音が聞こえるか」を、けっこう楽しく読めたので、同じ作者の本を、読んでみた。

この本は、題名そのままで、デパ地下の和菓子屋さんで、アルバイトを始めた女の子の話です
和菓子味そのものよりも、和菓子に纏わる名前の由来にかけての話が多かったような気しますし、主人公の女の子も、知らず知らず成長していっている様子は見て取れるような書かれかたをしてます。

主人公の周辺は、良き大人ばかりなのは、この前読んだ本とp一緒です
人が成長するのには、反面教師のような人や、嫌な人も必要だと思うし、現実世界では、嫌な奴の方が、良き人よりも多いのかも知れないし、最も多いのは、日和見ばかりして、微温的な関係に安住するしかないところでしょうか。

若い人が社会に出て行く為には、世間は、けっこう捨てたものではないと得心した方が良いのかもしれないので、この本は良いのかも

自分みたいに中年になると、手放して、前向きな人間関係を築いていく主人公に、懐疑的になってしまうのは、少し悲しいですね
ツナグ
辻村深月    新潮文庫


昨年映画化されて話題になった原作本を読んでみた。

この話は、実によく出来ている話だと感心しました
ですが、日本人の死生観があってこそ理解できそうな話でして、死んだ人との通話をする話は、近年の小説ではよくある話なんでしょうか

映画は未見でして、多くの人に、この物語がどう受け取られているのかは、自分は不明なんですが、自分の感想としては、映画化して大々的に語られるよりも、こそっと小説で読む方が向いていそうな話のような気がした。
死んでしまった人の人生と共に、主人公の死者との使者役の高校生の、使者と生者へつなぐとは、どういうことなのか、高校生の目から、それはどういうことなのかという視点も、重層的に語るという手法は、上手いですし、心に残るものがあると思いました。

それと、作者が女性なので、女性視点の話が鋭いと思ったし、親友の心得のところは、自分には印象に残った。
起こしてしまった出来事そのものについて、余りにも大きな遺恨が、人を成長させる、というか変質させる、その場面に直面した主人公も、人として成長しているところが見て取れる。
人って、こういうところで成長していくんだと、考えさせらました。

年取っても成長しない人は、ある意味幸せなのかも知れませんね
人生は、多様な可能性に満ちていますが、死者には、その可能性は、閉ざされている。
ですが、ここに登場する死者たちは、どこぞ伸びやかです、
その所も日本人の死生観に繋がっているのかなとも思いました
大きな音が聞こえるか
 坂木司    角川書店


この小説は、高校一年生のエスカレータ式の高校に通い、受験もする必要なく、裕福な親の元で、恵まれた生活を送る少年が、叔父がブラジルに赴任していることをきっかけに、趣味のサーフィンで、ポロロッカ、アマゾンを逆流する波に乗る決意をし、バイトをして金を貯め、実際にやり遂げる話です

けっこう長い話ですが、前向きな主人公。周囲の善意ある大人たちの言葉に、聞く耳も持つ少年は、かけがえない宝を見つけることができるというストーリーは、多くの読者の胸を打ちそうですね

もちろん、ここまで恵まれている少年が、今の日本でも、多数派に存在しているのかどうかは疑問ですが、少し前の日本人なら、中流幻想があったので、退屈を持て余す少年に、自分のことのように思えたでしょうが、今の若者はどうなんでようね
そこのところは、今の日本の若者について、どうなのかを、自分は分からないので、評価しかねますね

自分は、こういう本の評価は、凄く難しいと思いましたね
若いのだから、もっとガンガン生きていけば良いのだとも言えますが、人間関係においては、良い大人ばかりに巡り合う方が、現実的でないし、気難しい人、自分に悪意のある人に合う方が多い。
それでも、前向きに生きていけば良いことの方が多いのだという、作者のメッセージは、力強いものがあるのでしょう

おっさんも、ひねてばかりいないで、若者にアドバイスできる大人になるべきだとも言えそうですね
新世界より 
貴志祐介    講談社


この小説は、未来の日本を描いた小説ですね
人類に未来が、それほど幸福なものではなかった世界を描いています。
不自然なまでに大きな力を得てしまった一部の者たちの暴走により、呪力という特別な力を持つ者の辿った行く末を描いております
そこのところの説得力はなかなかでして、畏怖すべき力を持つと人はどうなるのか、つまるところ、それで殺し合いをせざる得ない状況になってしまう。
そんなはずがないと思われる人は、中国の魏晋南北朝時代の暴君たちを紐解けば、なるほどなんでしょう
奴隷王朝時代なんかが、この小説の未来世界ではあったりします。
個人的には、この本で語られる奴隷王朝の暴君ぶりが、一番引くこまれてしまいました。

自分たち自身の暴走を避ける為に、身勝手に世界そのものの姿を作り変えてしまった、根本的な原罪と言ってもよいものに、怯えて自分たちの社会を守っていかなくては行かざる得ない人たちの将来も、それほど希望があるとは思えないのですが、何処でどうして、こなってしまったのかは、考える素材としてはいいのでしょうね

けっこう長い小説でしたが、なんとか読み通せた。
小さな幸せ、それだけで安住するには、それまでの人類が選択してきた重さからすると、得ることが困難なものになってしまうという意味においては、今の日本は、まだまだ大きな選択は行っていないのだなあと思ったし、それは、それで良いことなのかも知れないねえ
舟を編む
 三浦しおん    光文社


昨年話題になった本を読んでみた
本屋大賞受賞作らしいですね

一冊の辞書を編集する人たちを、編年体で活写していると言えばいいのだろうか、それとも、一人の変人が、辞書にのめり込む話なんだろうか。
どちらかと言えば、幸せな人たちの、のろけ話に近いですね。
辞書には、魔力が存在する、それを作る人たちは、これだけ魅力的なのだと言いたいのでしょう。
これだけ、時間も労力もかかるものをやり遂げる人たちなのだから、悪い人たちではできないはずなんですけど、それって、考えてみると当たり前なのかも。

ここで、殺人事件発生、追い詰められる辞書編集者。
真相はいかに、という風にならない話に、世間の多くの人は、ひと時の心をオアシスを求めているからこそ、多くの人が評価しているのかしら。

個人的には、面白く読んだのですが、どこぞ物足りなく感じたのだけど、それは、自分がスレてしまったからなのかな
退出ゲーム
 初野晴    角川文庫


この小説は、前から気になっていたので、今回思い切って読んでみました。この本は、4話からなる短編集でした

学園ものは、自分は好きでありますので、期待して読んでみたのですが、個人的にが、ストライクをやや外したような読後感でした

アニメ化された「氷菓」の古典部シリーズとよく似たテイストはありますが、ヒロインが謎を解く訳ではないし、その謎、事件は、日常にそれほど、あり得るべき事象ではなく、それは、その為に作られた世界いう気がしました。
ただし、かなり独特の世界が呈示されていて、そこには驚きがありました

個人的には、「クロスキューブ」という話が好きでした
吹奏楽部そのものも、これから続く話で、充実していく予感もありますので、この話の後を読みたくはなりました