いったい何故 私は ほかの旅人たちが行く 道を避けたりするのだろう
何故 私は雪のつもった高山の岩根をすぎて かくれた小径を探したりするのだろう
いやしかし 私は 人々を怖れねばならぬことは、何も犯しはしなかったのに
何という愚かしい願望が 私を荒野のなかへと駆り立てるのだ
いくつもの道しるべが 道の上に立って 町への道を示している
だが 私は限りなく さすらうばかりだ
安息もなく しかも 安息を求めて
一つの道しるべが 私の眼の前に動きもせず じっと立っているのが見える
一つの道を 私は行かねばならぬ
まだ誰も 行って帰ったことのない道を