ポール・ギャリコ 山田蘭(訳) 創元推理文庫
ネットで、ギャリコの新しい訳が出されていると知った。
取り敢えず注文しててみた。
即、読み出すことはしなかったのですが、読み出すと即読めてしまいました
自分は、ギャリコとは相性が良いのだと改めて実感しました。
が、この本は、今の時代、世相では、どれだけ多くの読者を得られるのかは、不明ではあります
アマゾンに載っているデーターベースでは
発明家を夢見る九歳半の少年ジュリアンは、自信作のシャボン玉ピストルの特許を取るため、こっそり家を出て単身ワシントン行きの夜行バスに乗り込んだ。だがそこにはヴェトナム帰還兵から陸軍大佐、KGBのスパイに殺人犯まで乗り合わせていた!少年が旅路で出会うさまざまな人々と事件は、彼に何をもたらすのか?あたたかさと切なさが彩るロードノベルの名品、新訳決定版。
とあります。
9歳の少年が主人公なんですが、その行動力、知力は、ずば抜けてます。一方感受性の豊かなのは、同世代の少年のものであるという、実に得難く、魅力的な少年なんですが、縦糸にある少年の成長物語よりも、少年が出会ういろいろな輩に、自分は、より魅了されたと思えますね
それが、ギャリコの代表作の「さすらいのジェニー」とかと少し違った印象を受けました
少年が、成長するのは、当たり前。朝の連続ドラマ「あまちゃん」のあきちゃんじゃないのですが、放っといても、背も伸びるし、乳も大きくなる。
どのように変わるのかが、重要なんですが、ジュリアン少年は、何を持って、成長させられたのか、大きな衝撃を受け、それを乗り越えることができたのか
そこの題材の提供が、ギャリコならでは、素晴らしいのですが、そこを明かすと、ネタバレになってしまうところが、もどかしい。
そこを自由に書いてしまうと、これから読む人の楽しみを奪ってしまうし、本当に大切なことが、そこで書かれているので、そこは、真摯に味わい考えて欲しくなりますね