伏見つかさ 電撃文庫
アニメ化もされて、今大人気の「俺の妹」の最新刊を読んでみた。
この巻では、前巻の最後での出来事の顛末が書かれているのですが、非常にストイックというか、限定的な話の作りになっておりまして、妹とは何かなどという哲学的主題への考察と言う読み方を許す一方、ぶっちゃけ、のろけ話です。
京介氏が、もてもてなんですが、余り羨ましく感じない展開です。
青少年向けの物語で、これで宜しいのでしょうかね。
私は、ロレンスの「息子と恋人」の顛末とよく似たものを感じました。
つまるところ、愛するが故に別れなくてはいけない。(ちょっと違いますが)
本文では、妹の為という理由がある訳なんですが、その理由が、桐乃さんに対しては良いけど、兄貴では、きもいだけと言われてしまっておりまして、それでは京介氏が哀れ過ぎますね。
兄貴では、絵ずら的に美しくも、かわいくもないからダメと言われてしまうんですね。
揺れ動く思春期の感情の移ろいというものなのかしら。
この物語世界では、美しい、可愛い方が扱いが上等になっております。下克上です。
いろいろと考えさせられました。
自分の贔屓の黒猫さんは、この物語では、今や桐乃さんを凌ぐ活躍でありまして、目立ち過ぎると、自分などは、贔屓を止めたくもなってしまいますね。黒猫さんの可愛い妹も登場しましたし、ますます楽しみな話になってきました。