影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
優しいコメントは大歓迎です。
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1Q84 a novel BOOK3
 村上春樹   新潮社


book3を読んでみた。
この巻は、惹かれ合う男女ののろけ話に終始しておりました。
book1を読んでいた時は、こういうところに着地したのかは、予想できませんでした。
自分としては、意外性があって、高ポイントです。
(自分は、予想できない展開の小説を高く評価しますので)

ここまで来ると、余分な登場人物は余り出てこないし、お父さんの療養所の看護婦さんも、啓示的な言葉を語っちゃう。
これは「火星年代記」かい。
話は、SFでもあるので、なんでもありでいいのかも。
でもね、こうも節操もない熱々で終わっちゃうのは、どうなのか。
次巻もあるということなのか

1Q84 a novel BOOK2
村上春樹   新潮社


book2を読んだ。
前巻の鬱屈とした感じは、続いているのですが、うっすら希望が見えて来るような気がするような展開でしたね。
青豆さんが、絶体絶命に追い込まれていくのですが、その場に自らの意志で飛び込んでいくのは、読んでいて息を飲み込んでしまいました。
この話が、どういうことを語っているのかが、漸く分かりだした、前巻の伏線にどういう意味があったのか分かりだした。
ここまで読んできて、そうだったのか。
気が長い人じゃなくては読めないのかも。

リアルな現実を語っているよりも、寓話的な世界を語っている方が、春樹先生は、断然良いですね。
リアルの世界の普通の男は、記号的な意味しかのようだし、おどおどしていている印象です。

物語は、名作「君の名は」みたいな展開になったところで、この巻は終わりました。
果たして、二人は出会うことはできるのか。
そこに自分の最大の関心はあるのですが、物語は、その上空を過ぎ語られていくのでしょうね。
よし、気合いを入れてbook3も読んでみようか
1Q84 a novel BOOK1
 村上春樹   新潮社


大ベストセラーを読んでみた。
発刊から2年。さすがに話題になることもなくなりました。
読後、読中。頭に浮かぶのは、どうしてこの本が数百万部も売れ、世界的なベストセラーになるのかと思うのですが、どうなんでしょう。

この本は、読み上手な人たちに語り尽くされているでしょうので、個人的に思ったことを勝手に書いていきましょう。(このブログは、個人の気晴らし目的ですので、苦情をコメントに言わないでね)

まず、言わなくてはいけないのは、青少年向けではないのではないかということですね。
性的なことを書くのは、食べることと同じ、人間の必要な行為と言えるのですが、早熟な中学生とか、もしかしたら小学生が読んでしまうのは、害悪になるかも知れない話です。
もちろん、これを読んで性的に興奮するものではないのですが、無垢な男の子(女の子は大丈夫な気がする。)には、トラウマを与えるかも知れないですね。
そこを突ついたら、春樹先生の本は全て害悪なんですが、思春期の男の子には、覚悟はあるのかといういうのは問うても良いかもと思う。
全ての男は消耗品なんだ。と思ってしまう子もいたりして。

そして、語られている内容も、青豆という女性と、天吾という男性。お互い顔見知り(それ以上の存在か)の同級生。お互い過去に重いものを持っている。
ここで翻ってみますと、何百万部も売れるくらい事実を想起しますと、世の中の人々は、人に語られざる過去をもって生きている事実になるのか。
この話は、自分の過去に深い傷がなければ、本当に共感しにくいものであり、そういう傷つけられた過去への思いが、この本を読ませていく動機とも言えそうです。
重い話を読み進める為の工夫を施されているような気がする。
ですので、こういう本を読まないで済む方が、幸せであるとも言えそうです。
自分みたいに、ミーハーで読むのは慎んだ方が良いのかも

個人的には、ハードボイルドのアンドリュー・ヴァックスのバークシリーズと同じような話を、現代日本に置き換え、冗舌な語りで進めているような気がしますし、最後に法の外の暗殺で解決するというのでしたら、必殺仕掛人とか必殺仕事人と同じです。

新興宗教とか、ティーンの美少女作家も、1984年以降を思い返すと、確かに話題になる、事件になったことです、そのところを辿って、現代へ繋がる扉へ広げていくというのは、前記の話と違うところで、純文学ここにありというところでしょうか。

つらつら書き進めて、自分はこの本を十分楽しめたかと自答してみると、ほどほどですなあ。
と思ってしまいますね
自分が春樹先生の本で一番楽しめたのは、「世界の終わりとハードボイルドワンアダーランド」だと思うのですが、「世界の終わり」は、読んでいる最中、同質性のある話を思い浮かべなかったのと対照できるかも。

それと、小説の主人公は、現実世界と違い、力強く躍動できるものでなくてはならない。
この本では、

 無気力というのは、、どこまでも人を蝕んでいくものだ。

青豆さんの行動は、その蝕んでいくものとの葛藤でもあると思った。
登場人物の大胆な行動と魅力がないと、陰気臭い話であり、読み進めるのは困難かも


この話のレビューは、女性の方が多いですね
女性寄りの話とも言えそう。
男は、主人公の一人の天吾とその他数人以外は、プロトタイプな、何も考えない存在のように描かれておりますし、青豆さんいとっては、睾丸を思い切り蹴っても良いような存在でしかないような気がします。
それは、おじさんの自分としては、読んでいて不快に思いましたね。おじさん層は、そもそもそれ程、この本を読む対象から外されているのか。


ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が、「名曲探偵アマデウス」でも取り上げられていましたが、この本が原因なんですね。
今から20年くらい前も、今もFMでは良く放送されますし、いつかヤナーチェクの時代が来るというような雰囲気になるのですが、今が、その時代なんでしょうか。
海外では、日本よりも取り上げられることの多い作曲家のような気がしますが、日本ではまだまだのようです。
自分は、個人的には「シンフォニエッタ」以外も日本で取り上げて欲しいと思ってますが、どうなんでしょうか。
GENEZ 6
深見真   冨士見ファンタジア文庫


前巻の最後で出てきた強大な敵、バビロンメディソンのイエニチェリーの内の二人が出てきました。
圧倒的な戦闘能力を誇るようです。

この巻では、敵、味方が入り乱れているし、魅力的な登場人物も出てくるし、謙吾とユキナの関係にも進展があったし、脱衣カルタというイベントもありましたし、自分の贔屓の亜祐美さんがピンチになるわ、見所が満載でした。

が、青少年向けの話からは逸脱しつつあるのかも知れません。
それは、善悪が単純なものでないという作者の考えがそうさせているのでしょうけど、その先の彼岸が泥沼のような気がします。
希望は、謙吾を中心とする若き仲間たちの姿ですね。
最後は、人と人の結びつき。そこが強固なら、乗り越らえれるはす。

「ヤングガンカルナバル」に較べて、この話は、非現実的なところも描いてはいるのですが、話の進行とかは上手になっているような気がします。
自分的には、とっても面白くで好きな話です。
「ヤングガン」の主人公の塵八が、最後には虚無に飲み込まれてしまうような終わり方だったのは、個人的には不満でして、この話の謙吾には、明るいとまでは言わないまでも、光ある方へ進んで欲しいです

青竹
 山本周五郎   新潮文庫

今日も周五郎先生の本を読んでみた。
この「青竹」という話は、昭和17年に発表されたものであり、戦時中の国威発揚を意図して書かれたものは明白なものです。
戦士の心得のようなものを書かれているような気がしますが、
ここに男あり。これぞもののふ。と言いたいのですが、この小説の主人公の源七郎の内面を想像すると、大したことないんです。
と言ってしまって終わりになるのかな。

話は、関ヶ原そして大坂の陣へと、井伊家の家臣。源七郎の目覚ましい活躍を描いた話です。
一目見た女人に恋をし、婚姻を勧められても断る、。
こういうところのややこしくて分かり難いところが、古風でもののふの心なんですが、不器用な生き様への憧れも抱かせます。

話は、詰め込み過ぎでバランスの悪い話で、周五郎先生の話の中でも傑作ではないと思うのですが、どう生きるかということには、考えさせられることの多い話と思いました。



フェイスブックとかは、使い方が分かりませんので
 このブログも開始してから6年目を迎えようとしております。
浮気性な自分は、ツィスターとかフェイスブックとかにも、手を出してみたのですが、いまいちフィットしませんでした。
ツィスターなるものは、つぶやいているだけで、なんやねん。
自分もつぶやきますが、人のつぶやきには関心はそれほどないので、即止めてしまいました。

そして、エジプトの革命で話題になっていたフェイスブックにも手を出してみました。
これは、使い方がさっぱり分かりません。
調べて、じっくり運用する気も余りおこりませんので、放置してしまいました。

自分には、自分勝手に更新できるブログで十分なんです。

一時このブログも、エロ小説の感想を何度かしたときは反響は凄かった。
個人的には、したいのですが、コメントに訳の分からない書き込みが殺到してうんざりして止めました。
口蹄疫事件では、我が身の身勝手さを省みず、記事を書いたら、またまた心ないコメントが殺到した。

人気が出て、勇敢に記事を更新していく人は、本当に偉いと思う。
自分は、話題にならず、自分のペースで、諸々のことを書いていくのが合っているような気がする。

最近、訪問者数は変わらないのですが、アクセス数が多くなっています。
一人がこのブログ内の記事を複数索引するケースが多いようです。
ですが、ぱらぱら捲って、そのまま去っていってしまうみたいです。

この現象を自分なりに考えてみると、ブログを更新する人が、今の状況では少ないからなんでしょう。
この非常時に、為にならないブログを更新する人は少ないということなんでしょうか。
三十ふり袖
 山本周五郎   新潮文庫


昨日に続いて、周五郎先生の本をアットランダムに選んで読んでみた。
今日読んだのは、「三十ふり袖」
これは中年男と年増女の純愛話です。
単純にふったはったと言うものではなく、実に味わい深い余韻があるハッピーエンドの話です。
正直に生きていれば、良いこともあるんですよ。ということを実感できる話です。

題名の「三十ふり袖」は、

「三十ふり袖、四十島田」という言葉を連想したが、三十になって着る振袖と、四十になって結う島田髷とは、女にとってもっとも哀しいみじめな姿だといわれる・

と主人公のお幸が述べているのですが、最後に晴れ晴れしく振り袖に袖を通すんです。そこに至る機微を描いた小説なんですが、実に滋味深いです。

三十とお幸さんは、述べているのですが、本当は二十八でして、実家には、不幸もあり内職仕事で糊口をしのぐ生活の身なんですね。
そこに、お妾の話が舞い込んで来るのです。生活の窮乏から受けざる得ないのですが、実のところその相手は、良い人だった。劇的に書けば王子様なんですね。もちろん、ただの四十男なんですが、正直者であり、真面目に生きてきた人なんです。
最後には、お幸さんには、王子様に見えたのでしょうか。みじめな姿と自分が述べている振り袖姿になる。
その場面でぱっと明るくなります。
正直に生きていて良かった。
しみじみそう思わせます。

ひとごろし
 山本周五郎   新潮文庫

最近日本は、大惨事に見舞われておりまして、世間で話題になることも、鬱々としたものばっかりです。
こういうときは、本を読むのが一番でしょう。
そこで、人が余り読まないものを、アットランダムに読んで、勝手に記事にしておこうと思いました。

周五郎先生の短編は、感銘を受けるものが多く、自分が本当に好きなものですし、未だ読んでいないものが莫大にありまして、適当に選んでみました。(本棚の本をさっと取りだして、開いたものを読んでみました)

この「ひとごろし」は、福井藩で臆病者と言われた双子六兵衛という下級武士が主人公でありまして、臆病者と言われたが為、己のみならず、妹も婚期が遅れてしまい、そのことに気にして、ある時、藩で人傷事件が起こり、その当事者が出奔してしまうことがあった。出奔した人物は、腕の立つ武芸者であり、その追手に誰も手を挙げる者がいない中、あろうことか、六兵衛は手を挙げ、追手として上意討ちをしようとする。

その上意討ちの顛末を書いたのが、この短編の内容なんですが、その手段が、腕の立つ相手に、絶えずつきまとい、「ひとごろし」と盛んに囃し立て、相手が追ってくれば、逃げるというものです。
その旅中で、六兵衛は、美しい娘と出会い、惚れられた?そして、二人で追いつめていきますが、最後で、どう決着したのかは、なるほどというものでした。
ハッピーエンドです。がひねってますね

周五郎先生は、この話を語る前に、妹と二人で、安らかにつつましく生活している姿には、いいようもなく人間的な深いあじわいがあると書いていたりするんですね。
臆病者と評判の妹としては、その立場は納得するものではないのですが、上意討ちをする兄に対しては、気をつかい、是非止めてくれと言います。
頼りなき者同士でも、頼りあって生きていれば、それだけで安らかな幸せなんです。

・ 私には武芸の才能はない、だから私は私なりにやるよりしようがないでしょう。あなたの武芸の強さだけが、この世の中で幅をきかす、どこでも威張っておれる、と思ったら、それこそ、あなたの云ったように大間違いですよ、わかるでしょう。

・ なにも武芸に強いばかりがお侍の資格ではないじゃありませんか

また新燃岳が噴火した
 ここのところ沈静化していた新燃岳が噴火しました。
東日本では地震と津波で大変だとは思いますが、こちらの火山も噴火しました。
東北の人たちからすると全然たいしたことはないのでしょうけど、またまた灰が降ってきそうです。
GENEZ   5
深見真   冨士見ファンタジア文庫


ちょっと前に出ていた5巻を読んでみた。
この巻は、短編を繋いだものでした。
次巻に大きな展開があるのを予兆させて終わりました。
巨大な敵の存在を匂わせて終わったのは、期待感を高めますね。

この短編集では、ユキナさんと七湖さんの謙吾くんを巡る鞘当てのような話が多くて、アクション面よりもラブコメの側面が強かったですね。
個人的には、ラブコメ面が強い方が好きなので、こういう展開だけで話を終始していただいてもかまいません
序々に存在感を高めている亜祐美さんに、個人的には期待しております。