片山修 監修 PHP新書
新年一回目の更新が、ブックオフの安売りコーナーで見かけた本について書いてみます。
自分で買った本の感想を述べるのが、当ブログの趣旨なのですが、4年前のビジネス書は その価値をほぼ失っているであろうし、ここに取り上げられた経営者も退任しておられる人も多いし、取り上げても良いと思いました。
自分が、この本を読んでみて興味深く思った点も、4年前から今日までの日本経済の来歴に、日本のトップリーダーたちの言葉とリンクしている部分があることですね。
それは、監修者の片山先生の前書きとかに書かれている変革期に果敢に挑戦しているリーダーの姿というよりも、ネガティブな印象を自分に与える、言葉がいろいろあることですね。
4年前では、非正規労働者の問題や少子高齢化の著しい進展ということが、当時の経営者の頭には、それほどないのが見て取れるし、目先の変化に汲々している姿も見て取れて、興味深く思った。
例えば、JR東日本社長の言葉では、ダーウィンの「変化に順応したものが生き残った」という言葉を取り上げておられる。
新幹線を含む社会的公共財の鉄道会社の社長が、変化に機敏に対応することがより重要だ。なる言葉を述べることには、大いなる違和感を覚えますね。
変化に機微に順応するより、社会的貢献。日本の鉄道会社としての日本社会への貢献の方が、重要なのではないだろうか。
その他、「ノーから入るのではなく、イエスから入れ。」という社長もいた。
現場では、そういう人材の方が扱い易いのでしょうけど、どうなのかなあ。
更に、ある社長の言葉では、「いま現在、仕事がないのに、将来のための人材を採ってどうするのかということです。」
企業というのは、現実主義的なものあり、営利追求団体なのだから、それで当然なのでしょうけど、それならば、たっぷり税金を支払って頂いて、国に貢献するべきなんじゃないかしら。法人税軽減なんて、もっての他じゃないかしら。
総じて、国際競争に晒されている会社の社長、消費者に近い立場の経営者には、おかしいと思う言葉は少なかったし、感銘を受けるものが多かったような気がしました。
まだまだ、日本経済、社会の苦難は続くという思い強くさせるような本でもありました。