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ノーサンガー・アビー ジェイン・オースティン/著 中野康司 ちくま文庫
オースティンの小説を読んでみた
この小説の主人公は、オースティンの他の作品の主人公とは違っているようで、平凡な部類に入るようです
無知で無教養だと小説の冒頭に書かれております。
もちろんこの小説を読んでいると、けっして主人公キャサリンはお馬鹿な少女ではないし、優しい気質だし、言わなくてはいけないところは、毅然と行動を取ります
物語は、無邪気だった少女が、世間の荒波というか、身近であったと思われる人たち、つまるところ親友と思っていた少女に裏切られることで、人生の機微について考えさせられる話なんですね
自分の知らないところで、話が右転、左転していき、追われるように実家に帰ってしまう。
本当のところどうなっているのか、さっぱり分からない状況なんですが、本来持っていた優しい属性が、幸運を呼び込むというところで話は終わったようです。
いつの時代もキャサリンの親友だった、イザベラのような人はいるようですが、そういう人に振り回される人もいるよいうですねえ。
冷静に事態を見つめることができたヘンリーは、世知長けた人物と言えるし、そのヘンリーがキャサリンを選ぶのは、適切な選択なんでしょうなあ。
この小説も非常に元気を与えてくれました。