影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
優しいコメントは大歓迎です。
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珈琲相場師
珈琲相場師  D.リス 著 松下 祥子 訳  ハヤカワ文庫


ゆっくりゆっくり時間をかけて読んだ。
帯には、石田衣良先生が、

・ この本を読者を選ぶが、この傑作に選ばれた読者は幸福だ

とある通りですね。
読者を選ぶ話ですね。幸運にも自分には相性は良かったみたいです。
中年だからということもありそうです。

それとユダヤ教の戒律というものの厳しさというのも、知識としてでも知っていないと、どこの惑星の話なんだということにもなりますね。
でも、宗教対立をいち早く脱したオランダが舞台で、そこでは前近代的な宗教と株式取引、それも先物取引が発展していること。そしてその二つが実に相性がいいものだというのを実感できるようになっていますね。
商売は信用が大切だけど、その土壌は騙し合いという似て非なるものの上にある。
そういうところを納得できる本を読めたのを有益でした。

それにしても、この本の主人公のミゲルは、良い奴とは言い難いですね。
兄ミゲルを憎むダニエルを最後には気の毒に思ってしまいますもんね。
もっと悪い奴がいるじゃん。
それがこの物語黒幕なんですけどねえ

最後に、ミゲルが昨日と友は明日の敵、昨日の敵は今日の味方というような状況で、その黒幕に啖呵をきったところで、少しは救われたのかな

 男は自分で財産をつくるものだ、他人にチェスの駒みたいに縛られるのではなくね。わたしはあんたを絶対赦さない

と言いつつも、自分の子供には、親と同じように接してしまう。
そういうもんですよね、人間てね
8万5千ヒット有り難うございます
 いつのまにか8万5千ヒットしていました。
訪問された方有り難うございます。

なんで、そんな中途半端なヒット数で、こういう記事を書くのかというと、ブログを継続していく自信がないからです。
次ぎの5千を目指して、こつこつ進んでいければいいと考えながら、当ブログを運営しているんですよ。

現在忙しい訳もあり、更新は滞っています。
10冊以上、感想を書いていない本があります。
ためてしまうと、どんどんたまっていきますね。
そして、書くのがどんどん億劫になってしまいます。
負の循環ですね

年内は、もうダメかもしれないけど、新年になれば立て直そうと思います。
その時まで、待って頂ければ幸いです。
製鉄天使
製鉄天使    桜庭一樹    東京創元社 


この本のストーリーは、「赤朽葉家の伝説」の二部と同じですね。
もう一度、あのぶっ飛んだ話を読まされて訳ですね。
自分は、こういうノリの話は好きなので、十分堪能させて頂きましたが、大半の人は、「赤朽葉家」だけでいいのかも知れませんねえ。

80年代を生きた者として、校内暴力の時代を過ごしたものとしても、この学校内光景はやりすぎですよね。
それに事実誤認もありますしね。
丙午の女である小豆ちゃんは、とことん強く描かれているし、同世代の中で、その世代は屹然としたかのようになっていましたが、それは間違いなのでは、
実際の丙午世代は、その前後世代の者からは、人数も少なかったし、上下から圧力を受けた隙間世代だったすよね。
高校野球を例に取れば、下の桑田、清原世代に圧倒されていたのは象徴的と言えるでしょう。

それにそこまで校内暴力が吹き荒れていた訳ではありませんわね。
鉄板とか、刀とか振り回す喧嘩は、さすがに当時でも珍しかったというより、あり得ないですよね。
当時の不良は、そんなこれ見よがしの武器で相手を威嚇した訳ではないですよね
相手の急所を見えにくい武器で突いたりはしていたし、血が出るような乱闘なんというものは珍しかったんでは。
などなど当時を知る者からすれば、何処の異世界の話なんだと思いました。

でも、少年、少女の世界と大人の世界の境界というものを意識した物語としては、ここまでカリカルチュアしたのは良かったのかも。
今の世は、子供と大人の境界が、不明確な時代ですから、かってはそういう境界がもっと意識されていたし、人間社会としては重要なのだとも言えますしね。

それと、もう一つ引っかかるところは

・ 中国地方の真の王者……山口だっ!

中国地方の人には異論があると思いますわね。
自分として広島だと思うのだけど、どうなんでしょうね