影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
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白夢 放課後の霧使い
白夢 放課後の霧使い    瀬尾つかさ  富士見ファンタジア文庫


この小説は、変わっていますね。

異界から、はぐれとういう怪物が、頻繁に登場する場所に、両親を事故でなくした少年が、転校して来る。その少年自身が、はぐれを抑えることのできる特殊な能力、霧使いのスキルを持ち、学園にいる他の霧使いたちと、はぐれの来襲に奮闘する。

というような話なんですけど、その少年自身が謎の存在であり、異界とどうしてその場所が繋がっているのかとか、はぐれが何故出るのかというのは、この巻では解明されていません。

主人公の少年の周りは、様々な女の子が配されています。
こういうところは約束事なんでしょうね。
自分的には、吉野さんが気になります

はぐれが、徒党を組んで、学園に行進してくるところは、とりわけどうしてそうなるの。そこで主人公の榮一くんが、吉野さんをおんぶするところは、ははーん。そうなのか。
などと納得してしまいましたね。

自分としては、楽しめた本でした
なので、好き度は8くらいですね
乱紋
乱紋 上・下   永井路子    文春文庫 


再来年の大河ドラマは、徳川秀忠の内室のおごうさんが主人公であるらしい

その大河ドラマは原作なしで放送されるらしいのですが、どういう生涯の人だったのか興味があったので、おごうさんを主人公にした小説を読んでみた。

母は、信長の妹のお市さんで、三度も嫁入りしたという波瀾万丈の生涯を過ごした人ですね。

永井先生が描くおごう像は、才気煥発な二人の姉お茶々、お初と較べて、容姿も性格も地味そのもの。
その何事にも動じないかのような姿で、苛酷であろう運命を淡々と過ごしていきました。
そして、この小説は、フィクシヨン部分のおごうさんの侍女のおちかさんの比重が高く、そのおごう像が、本当のおごうさんとは、そういう人だったのかは、疑問はありました。
大河ドラマでは、おそらくここでのおごう像とは、違うものが描かれそうですね。

対して、この小説では脇役であるお茶々とお初の姉の方が、実は生き生きと描かれていたように思いましたね。
二人とも才気がありすぎて、嫌味な女として描かれていましたね。
容色兼備、才気煥発も若い時代は良いでしょうけど、年を重ねると鼻もちならないということなんでしょうか。

鈍重なおごうさんは、自らは強い自己主張をしないことにより、周りにいろいろと誤解を与えていくかのように描いていました。

有名な三代将軍になる家光の乳母のお福、春日局の自己主張の強さに気圧されて、弟を蹴落とすかのようになったかのようだったのは、史実とは違う印象を持ちますね。

視点が女性側にある本であることもあり、いろいろと考えさせられる本でした。
“文学少女”と恋する挿話集 2
“文学少女”と恋する挿話集 2    野村美月
 ファミ通文庫


この巻は、本編での話を、琴吹ななせさんサイドから描いておりました。更に、ななせさんの友人の森さんと反町くんとのラブラブな日々をも軸に描いていました、
恋愛事の不馴れな反町くんにアドバイスするのは、文学少女の遠子先輩。
もちろん、この人のアドバイスは、本の紹介です。
今回は、詩人がずらっと並びました。
ハイネ、バイロン、中原中也、タゴール。
恋愛が始まり、。熱くなり、苦悩し、昇華する。
時々に悩みつつも、反町くんは、詩人の言葉を糧に、森さんとの仲を強靭なものにしていきます。
感受性が強い子なんでしょうし、愛すべき存在ですね。
明るさ一杯の森さんとは、ベストカップルです。
清き正しい男女交際とは、こういうものなんでしょうか

一方ななせさんの恋は、上手くはいきません。
これは本編でも明かなんですけど、思い切り人を愛するとはどういうことかを如実に描いていました。
そこまで一途に思ってくれたら、大概の男は落ちる。
でも、文学の道を進むと決めた心葉くんは、そうではないのですね。

厳しい世界です。
それぞれが、信じる道を進むとは、かくも険しいことなんでしょうか。

この巻は、反町くん森さんのエピソードが、大部であったけど、他は、同じ内容の異視点に過ぎないのだけど、満足度は非常に高いと自分は思いました。
エピソードを横へ横へと拡げるだけのものが多いライトノベルの世界にあって、こういう描き方は、異質ではありますが、文学的でもあります。

・ バイロンの詩は、真っ赤なロブスターなの!

そうなんですか。遠子先輩

・ 井上自身のことを、好きで好きでたまらないっていう目で見てしまう。

ななせさんのこの日記の場面を読んでいると、ゴロゴロとしてしまいました

・ あたしは井上くんに恋しているななせをみっともないなんて思ったこと、一度もないよ。ななせは世界で一番可愛い!

森さんの言葉に泣いた。


この本の自分の好き度は10。満点です。

8万ヒット有り難うございます
 8万ヒット達成していた。
訪問された方有り難うございます。

低空飛行なんですが、ここまでたどり着きました。
細々ですけど、書き継いだ結果なんでしょうね。
感慨深いものがありますねえ。

そこで、自分の蔵書で、市場で値段が高い本を調べてみた。
文庫本に限って、2009/9/12現在のアマゾンで自分が調べた限りのベスト5は

1、アメリカ史下  アンドレ・モロワ  新潮文庫 48890円

2、向こう岸からの世界史  良知力 ちくま学芸文庫 17954円

3、聖ユルゲンにて  角川文庫  シュトルム 関 泰祐 9725円

4、ふたり物語  アーシュラ・K・ル・グイン 杉崎 和子  コバルト文庫  5000円

5、世界の合い言葉は勇気  アーシュラ・K・ル・グィン、小尾 芙佐、 小池 美佐子   ハヤカワ文庫  3966円

もっと高くなっている本があるかも知れないですが、大体こういうところなのでしょうか。
でも、読んだのは、「聖ユルゲンにて」と「ふたり物語」だけですね。
古本屋さんで買ったものばかりですね。

「聖ユルゲンにて」は、自分にとってはとても大切にしたい話ですね。
さすらう若者の物語ですね。このように年を取っていきたいものです。
「ふたり物語」は、バリバリの恋愛ものですが、ちょっと昔の恋愛ですね。今の若者向きではないかも

そして買い逃して、しまったと思ったものは

一言放談   小西甚一  ちくま学芸文庫

小西先生の本は人気がありますね。3500円となっています。

きららの仕事 ワールドバトル   5
 きららの仕事-ワールドバトル 5      橋本 孤蔵 画 早川 光 原作  集英社


この5巻は、一冊まるまる坂巻さんと朱雀さんの対決。
始めてこのマンガを読む人には、堪えられないかもしれない絵柄です。
マッチョですね。筋肉ムキムキ。
鮨マンガなのに、どうしてそうなるんでしょうか。

朱雀さんは、ただ単にマッチョになっただけではなく、包丁さばき、握りでも長足の進歩を遂げ、さらに怪我をしている坂巻さんに、針灸師を手配してあげるという懐の深い面も見せてくれています。
人間的に成長しておられますね。

対して坂巻さんは、ちょっと目立たなかったかも知れないです。
相変わらずも、食材を自ら 取りに行っております。
それをビデオテープで放映。
そういうところは、なんだかねえ。ですよね。
鮨の修行というのは、そういうものも入るのでしょうか。

この巻では、朱雀劇場ということで、幕間ことに題名がつけられていたりします。
そこは笑うところなのか、笑ってもいいところなのか。判断しづらいです。

二人の因縁の対決は、火花は散りましたが、お互いの点数はそれほどでもなかったのが、気になります。
きららちゃんがマークした点数とは、かなり差があります。
ワールドクラスと日本国内での差は、明白だと作者は述べたいのでしょうか。

他、この巻で気になったのは、石垣牛でしょうか。
それほど美味なるものなんでしょうか。気になります。
ガール・ミーツ・ガール
 ガール・ミーツ・ガール    誉田哲也    光文社


「疾風ガール」の続編を読んでみた。

この物語は、女の子のメジャーデビューへの過程を描いたものとも言えるます。
そこへ至る道を、こつこつ進んでいくという訳ではなく、様々な葛藤があります。

主人公の夏美さんは、元気一杯なんですけど、ただ単に光っているだけはありませんね。気に入らないものは気に入らないと言うが、芸能事務所の人間関係とか、過去に失踪した父親が現れたときは、父親への気遣いを見せます。
多面的な人間性を持った女の子ですね。

付き従うのは宮原さん。
元バンドマンでもある宮原さんは、前巻に較べると、ここでは、所属する事務所のタレントのブログとか雑誌のコラムの代筆とかをしております。(現実世界でも、芸能人のブログってそうなんでしょうか)
地味な役割です。

そして題名にもあるように、ある女の子との出会いが、この巻での主内容でした。
全く異質だと思われた二人が、打ち解け会っていくところは、青春ですねと思わせます。

この巻でかっこ良かったのは、夏美さんが所属する事務所の専務の梶原さん。伝説の一発屋の(この説明はおかしいかもしれないですね)井場さん。
脇の人たちも輝いておりますね

 「哀」をリスナーに感じさせるメロディセンス、それをきっちり伝える歌唱力。音程も正確じゃないといけないし、声色、つまりトーンもベストなものじゃなきゃいけない。ここはこの音で、このトーンで唄うから切ないんだよ、ってのが必ずある。それを毎回狙ってできる確かな技術が、楽曲には必要とされる。
アマルフィ 女神の報酬
 本日は映画の日だったので、映画館に行ってみた。

何を観るかと考えてみると、先日読んだ「ローマ亡き後の地中海世界」に出てくる、海洋都市国家アマルフィの名前の映画を観ることにした。

題名はアマルフィなんですが、別にアマルフィが鍵を握る話ではなかったですね。
綺麗なアマルフィの空中からの遠景は観られましたけどね。

内容は、サミットの外務大臣会合に呼ばれてやって来ていた外交官が、邦人の誘拐事件に巻き込まれた事件を描いておりました。
もちろん単純な誘拐事件ではないのですが、その事件の背景は、こういうミステリーではありそうな展開ではありました。犯人の目星もつき易かった。
そして、本当に悪い奴をそういうところに持ってくるのは、どうなんでしょうね。
イタリア警察は、間抜けに描かれておりますが、そういう話を許容できるイタリア人っていうのは、大したもんだと感心しました。

特筆すべきは、織田裕二さんですね。
エリートコースを離れてしまい、便利屋として使われる境遇のようなんですが、そういう男のそこはかとない哀愁を上手く出していましたし、同時にさりげない優しさも見せていました。
シリース化していくのでしょうかね。
織田さんが演じた外交官黒田には、いろいろな過去があり、これからもいろんな事件に巻き込まれそうです。

アマルフィと言う町は、山が海岸に迫っていますし、小さな町ですね。
全体としてみれば綺麗とは言えますが、ところどころ小汚いとこも観られましたね。イタリアって何処もそうですね。人間の生活臭が感じられますね。

 無駄使いも外交官の特権です。

織田さんに、こういうように言われとると、国民も納得するかも。