影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
優しいコメントは大歓迎です。
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とある飛空士への恋歌
とある飛空士への恋歌      犬村小六   ガガガ文庫


「とある飛空士への追憶」が、去年大きな話題にもなりましたが、その続編らしきものが、本屋で平積みされていたので、購入し読んでみました。
これは、その世界だけは同じなんだけど、前作とは違う話ですね。
題名に恋の字があるので、これから恋愛を大きく扱っていくのかしら。

でもですね。
この巻では、主人公のカルエルには、苛酷な運命が課されます。
王であった父と母が、革命によって殺されてしまいます。
その後落ち着いた先に、三姉妹がいます。
そこのところの落差は、がくっとしました。
予定調和な世界で、甘甘な香りがするんです。
そういうところをを受け付けない人も多いかもね。

カルエルくんは、落ち着いた家庭で大切にされて、それで一件落着。
とはならず、母上さまと見た、牢獄からでたときの空の美しさからか、飛空士を目指すのです。どこぞやロマンテックな感じがします。
大空って、大きな魅力があるのでしょうね。
で、空飛ぶ島イスラに乗って、世界の果てを探る旅へ。
(そこで海のトリトンなんかいとか心の声)

それと蛇足したいのは、雲の中での自転車の二人乗り。
読んでいて、ワハハハハッ。と笑いながら転げ回ってしまった。


・ 「そうです、ははうえぼくはそらを飛ぶひとになります。あんなふうに、かっこよく飛びます。」
「良い夢ね。そうよカール、あなた、飛空士になりなさい。ずっと自由に、誰にも縛られずに空を飛ぶの」


自分の好き度は9くらいです。
 
静野さんとこの蒼緋(ふたご)
 静野さんとこの蒼緋(ふたご)     水鏡希人    電撃文庫



水鏡先生のの「君のための物語」を自分は気に入っていたので、この本も読んでみました。

予想していたのと大分感じが違うのですけど、本当に同じ作者が書いたのかな。

内容は、生き別れになっていた双子の妹が、やって来て、双子の兄貴とは、ぎくしゃくとしながらも、学園生活を過ごし、事件にも遭遇する話でいいのでしょうか。

でもそれだけではないのですね。
これはばらしていいのかとも思うのですけど、そこを書かないと何も書けないので、敢えて書きますと、魔法が関係してくるんですね。
そこのところでの魔法というのは、取ってつけたような感じがしてしまいました。。
最初からデザインしていたアイデアなんでしょうから、呈示のしかたが、拙かったと言えるのかな。

妹の緋美子ちゃんに、兄貴の蒼介くんは、思い切り反発します。
どうしても、同じ年なら、女の子の方が、大人なんだということを割り引いても、ちょっと嫌な感じはしましたね。
でも、意固地になっている主人公を立てるというのは、新鮮な感じもしましたね。
事件の謎と二人の葛藤が同時進行で語られていくのは、よく処理できているとは思いましたが、分かり難くも感じました。
なかなか爽快感を与えてくれにくい話でもありますね。
本当に本当のお馬鹿なキャラが出ていないのが原因なのかな。

自分の好き度は7くらいでしょうか。

ベイビーステップ 6
ベイビーステップ 6     勝木光     講談社


最近嵌ってしまったマンガです。

今春、テニスを描いた名作「しゃにむGO」が完結するのを、待ち遠しく思っていたりするのですが、本屋で何気なく目についてしまった同じテニスマンガのこの作品を、読んでみると嵌ってしまいました。
このマンガも繰り返し読むべき作品です。
繰り返して読まないと分からないくらい、情報量が多いです。
それも、テニスを上達するというスキルについての知識が厖大です。

テニスなどというのは、金のかかるスポーツであり、子供ときから始めなくてはダメで、普通の人がテニスをするのは、あくまで趣味に粋を出ないのじゃないと思ったりはするんですが、
そこを主人公の栄一郎くんは、簡単に越えてしまうんですね。
特別な運動能力がないし、身体も恵まれていないのにも関わらず。
どうして、そういうこと可能だったのかという、その問いの答を解いているような気持に、このマンガを読んでいると思いますね。

最近のマンガの登場人物というのは、優等生が多くなりましたが、栄一郎くんは、度が過ぎています。端から見ると律儀過ぎて要領が悪いにじゃないかとも思ってしまうくらいです。
本来、そういう子はスポーツ向きじゃないはずなんですが、
教えられたことを忠実に守り、基礎的なパターンを飽きもせず繰り返し、強靭な意志を持ち、対戦相手を先入観もなく観察もでき、不屈の精神も持ち合わせる。
ただし、表面上は負けず嫌いではないかに見えるような、素直な子なんですね。
そして、重要なのは、そういう栄一郎くんを、大した奴と思ってくれる仲間がいるのも、良いですし、指導者にも恵まれてもいます。

良質なマンガの世界を築かれておりますわね。
一般の日常は、必ずしもこういう訳にはいかないのですが、栄一郎くんを見ていると、そういうものも呼び込んでいるのは、その人自身なんだとも思わせくれるんです。
おっさんにも、十分良きインパクトを与えてくれます。

これからも、まだまだ書き継がれていくでしょうから、楽しみですね。
シンデレラ迷宮

シンデレラ迷宮    氷室冴子    コバルト文庫


高名は伝え聞いていたが、なかなか手に取ることが出来なかった名作を読んでみた。

ネット時代って良いですね。
探せば、絶版になってしまった本も、なんとか手に入ることができるんだもんね。

と言っても、どういう話かほとんど知らないで読んでみると、時代性に大きく影響された話でもあると分かりましたね。
80年代の薫りがします。
あの時代を知らない若い世代よりも、その時代を生きた世代にとっては、胸がきゅんとしてしまうかも知れませんね。
80年代初頭というのは、女性がどんどん社会に進出していった時代で、日本を飛び出して、外国にも旅行にどんどん出て行き始めた時代でしたね。
特別の才能も資産もなくても、普通のお嬢さんたちが、どんどん外国に行けるようになった。
今まで家庭に縛り続けていたであろうと思われた桎梏から解放されたというような感じをした人も多かったのでしょうね。
でも、まだまだ現実はそうではなくて、「想い出つくり」などというドラマも作られ、そういう女性たちを描いていました。

この物語では、海外どころか、過去の名作物語の中に、主人公の利根さんは、突入してしまいます。
 記憶を亡くした利根さんが訪れた世界では、物語の主人公よりも、主人公の敵役みたいな立場の者たちに、大きく共鳴させられるような描かれ方をしています。
白雪姫の継母の心情をこれほど深く描かれるとは驚いたし、それに対して王子の利己的な側面も描かれ、男としてはなんとも言えない気にもなりますね。
更に、利根さんは、この後「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「ジョーン・エア」の世界の登場人物たちの生の声を聞いているうちに、自分の記憶も思い出してくる。
そして、どういう行動をするのか?

実に重苦しい話でもありますね。
でも、昔の少女たちは、こうのような素晴らしい物語を、その後の人生の糧にできたという羨望も感じましたね。
昔この本を読んだ人は、今もう一度読み返すという楽しみがあります。

では、今の世代の若者ならどう読むのでしょうね。
ちょっと取っつき難い話だと思うのかも知れないですね。

クール・キャンデー
クール・キャンデー      若竹七海      祥伝社文庫


この本は、ミステリーですね。
殺人が起こるし、謎解きもある。
なので、そういうところは触れる訳には行けないのですが、青春小説とも言えますね。
今話題の中二病みたいな感じのどぎつい描写はないのですが、大人になる前の思春期の苛ただしさとか、お互い決定的に踏み込めない女の子と男の子の物語りでもあると言えそう。

主人公の渚ちゃんは、本が好きで、家庭がちょっと複雑な女の子で、自慢なんだけど、ちょっと距離感のある異母兄が、殺人事件の容疑者と警察から目される。
そこで、交友関係、家族関係に波紋が起こる。
そして最後に解決ということなんですけど、
そこは鮮やかでしたね。
納得しがたいものがありましたが、大人とは、実は意外に複雑怪奇な生き物なのかもしれないとも言えるかもしれませんね

短い本なので、さくさくと読めて、ちょっとほろ苦いような甘いような感じを実感できて、読後感が良い本でではあります。
もっともっと知られていい本なんじゃないでしょうか。

桜庭一樹さんもおすすめしていたように思いますしね。
分かる人さんだけに回答
 このブログはめったにコメントは頂けにような、余り人気のないブログなんですね。
でも、偶にコメントとかを頂くと嬉しくなってしまいますね。

コメント頂いた記事は、昨年の9月8日の

・ 
悩殺生徒会長なのだ。

という言葉を、知っているという人のコメントだろうと思われます。
世の中広いものですね。

この元になった小説は、フランス書院文庫の中の有名作の中から取ったもので、この作者の本は、いろんな方面でさまざまな影響を与えています。
その世界において、大きなインパクトを与え続けている作家さんですね。

どういうシチュエーションで言われた言葉かというと

高校生の主人公の年上の生徒会長が、親が多額ん借金をし、そして失踪して取り残されてしまい、そこを主人公の叔母が救ってあげ、同棲するという展開になるんですね。
元々この主人公が好きだった生徒会長は、そこで思い存分その主人公にサービスされちゃうんですね。
薄幸で可憐なんだけど、凛ともしていて、それでいて主人公が好きでいてくれる。
そんな人、普通の日常にはいませんね


相変わらず「官能小説」という言葉でアクセスしてくる人が多いみたいだ。
このブログの アクセス解析を見ていると、相も変わらず官能小説という言葉が、このブログの検索語の一位になっているね。

不本意なんです
そもそも私は、そんなにエロイ記事など書いておらないぞ。

そもそも官能小説というカテゴリーを作ったのは、草凪優先生の「誘惑させて」という小説が余りにも素晴らしいので作ったまでなのにね。

ただし、自分はけっこうフランス書院文庫とか美少女文庫も読んではいるのは事実です。
でも、こういったジャンルの本というものは、感想を書けるものはほとんどありませんので、記事にしていないだけであるとも言えます。

誰だって、そういう本で感想は書きづらいとも言えますわね。

ちなみに、自分のフランス書院文庫とかの読み方は、エッチシーンは飛ばして読んでいるんですわ。
そういうところを読んでいると、恥ずかしくなって読み続けられなくなるのですね。
そういうところは読み飛ばしても、ストーリーが分からなくなることもないので、大丈夫なんです。(何が大丈夫なんだか)
すると、一冊が凄く早く読めるんですよ。
疲れている時とか、眠れない時には、簡単に一冊読めるので実に重宝しております。
一冊読むと達成感がありますしね


最近ほどほど思うことは、最近の官能小説において

1、ストーリーが、どんどん溶解していること

2、優しいストーリーが多くなり、過去に多かった人非人は最近見かけなくなった

3、男性一人に複数の女性が求愛する展開ばかりになっている


と言えるかも。

フランス書院の編集部は、まず売れること第一みたいなので、
最近の男性の欲求は、こういうものになっているのでしょうね。

自分は、女性を痛めつけるような展開は好きでないので、今のこういう主潮には、基本的には反対はしないのだけど、似たようなものばかりになり過ぎなんじゃにかなとも思えますわね。

でも、官能小説というものは、マンネリ、ワンパーターンということが重要なファクターでもあります。
大勢が、ある一点に向けてマンネリ化しているようなジャンルでもあるとも言えますね。

そこのところを心得てマンネリなものを、飽きずにこつこつ書き続けている官能小説の作者たちは、職人という名に相応しいですね。

書き続けると、どうしても飽きてしまう。
一方、そういうもには、読者は敏感だったりする。
そういう微妙とも言えるところをクリアーしていく作者たちは、実は凄い人たちであるとも言えるのでは。

それと、ワンパターンであっても、それぞれの作家に特有のファンがいなくてはいけなかったりもするようですね。
この人のマンネリは許せるけど、あの人はダメ。
逆もあり、そういうところも面白いですね。

十年前と最近のものとでは、明らかに読者の好みも変動しているのも面白い。
作者たちは、いろいろ流行に敏感でないといけないみたい。


疲れて眠たくなったから。訳の分からない記事を書いてしまった。
おやすみなさい。
カラフル
カラフル    森絵都      理論社


先ほど読んだ「ラン」に続いて読んでみた。

こちらは、あっという間に読めた。
スピリチュアルなものでしたね。
が、こちらの方が若者寄りの話ですね。
死について考えるのだけど、主人公が中学生なこともあって、軽率な理由で死んでしまったが、その後にやり直せるチャンスがあったならというものでした。

おっさんから見れば、主人公も、援助交際をしている同級生の女の子も、思いの外素直な子たちとも言えますね。
こういう風に悩んでいるのは、古風なんじゃないかとも思ったりして。
この本の出版が1998年というから、十年くらい前の世相を背景にしている感じはしますね。
青少年の世界というのは、変わらないところもあるけど、細かいところで変動もしているので、今の若者を主人公にすると、もうちょっと変わった感じになるかも知れないわね。

自分としては、中年のおっさんということもあり、「ラン」の方が、深く死について考えさせられたけど、こちらの方が好きという人の方が多いのではないかとも思いました。

視点が、それほど高くないところは良いですね。
仲良くなった友達と同じ高校に行きたい。
そういうありふれている理由が、生きていくモチベーションになっているところとかね。
登場人物たちが、変に悟りきっていないところが、作者が良心的であるところとも言えるのかも
ラン
ラン      森絵都    理論社


森先生の本を本屋で見かけたので、読んでみた。
きっとスポーツもんで、「ダイブ」みたいなものなんだろうと思ったのですが、スピリチュアルな本でしたね。
なのですが、走ることにより生きる意味を見つけるという側面もあるので、スポーツ小説とも言えますわね。

この小説は、鐘みたなものでもあると言えそうで、この本を読む人が持っている死についての考えに、大きく左右されますね。
年を取るにつれ、死が確実に近づき、近親者の死に遭遇する場面が多くなってくると、この物語の亡くなった家族と邂逅するところには、身につまされ、死について考えざる得なくなりますね。
自分は、この本を読んで、いろいろ考えました。

誰でも、そういう死について考えざる得ないのだから、この本を読む人、年令によって、考えが大きく変わるものとも言えますね。

であるのだから、森先生の本で、走ることをテーマにしていると思って、青春ものと思い読んでみた人には、なんじゃこれはという人もけっこういるかも。

内容は、生きていくことに、どこか投げやりな女性が、ある時亡くなった家族に会えるツール(自転車)を手にしたことで、亡くなった肉親に会う。更に、走ることによって、生きることの意味を見つけていくというような話なんでしょうね。

同じランナーチームのチームメイトになるおばさんとの不幸自慢とか言いようがない掛け合いは、壮絶なであり、そこまやるかと思ったりもしましたが、真剣に生きるという過程においては、そういったことは避けられないことなんでしょうか。
そういうところは、作者は容赦がないが、あっぱれとも言えます。

この小説では、亡くなった両親や弟よりも、おばざんにから多くのことを主人公は、得ていますね。
おばさんの力というものなんでしょうか。
余りにも近しい親子、兄弟よりも、ちょっと離れた肉親の方が、道しるべを与えてくれるというのは、面白いですよね。
こういったことは、世の真実なのかも。
まあ、いろんなおじさん、おばさんがいて、必ずしもそうではないとも言えないかもしれないけど、ちょっと離れたところから、見てくれて、肉親の暖かさを持つ人というのは、人が生きていく上では重要なんでしょうね。
かぐや魔王式(まおしき)!2
かぐや魔王式(まおしき)!2     月見草平     MF文庫


かぐや魔王式(まおしき)!シリーズの2冊目を読んだ。

この本において、あいふぉんこと米倉愛さんが、真央さんの新世界の王となるべく、配下には入りましたね。

骨格となるストーリー自身は、本当にチープな感じがしていますねえ。唐突に世界制覇が、どうのこうのという少女が、仲間を集め、自らの計画に邁進。
全然邁進していないじゃん。
錦織くん、六道さんとかに乗せられているだけじゃん。
というものなんですよねえ。
この巻では、地元の資産家の米倉さん家に泊まり、聖剣をそこの倉で見つけるという展開です。
そこで、おきまりとみたいに、六道さんが仕切る、楽しいイベントがあったりもするんです。

でも、こういうお馬鹿な内容で、一冊の本として楽しめるところが、ライトノベルの醍醐味ではあります。登場人物が限られていること、主要人物が、一冊目から動じていないところには、安定した楽しさはありますが、このままどんでん返しみたいなものがなければ、読み続けていくのは辛くなっていくかも知れないとも言えますねえ。
真央さんの性格自身が謎といえば謎なんだすけど、

自分は、なんだかなんだ言ってもけっこうこの物語は好きなので、好き度は8くらいあります。