青年のための読書クラブ 桜庭一樹 新潮社
この本は5編の連作短編集なのだが、語られている場所は東京の山の手のお嬢さん学校を舞台にしているね。
「マリア様がみてる」みたいな世界が展開されているのかと思ったりするのだが、読んでみると実はそうでなくて、桜庭さんの独特のワールドが展開されているわね。
「赤朽葉家の伝説」と同種の思想を元にしている。
バブルの頃を語るのは、ちょっと極端に、現代、近未来はおとなしくと、
5編の物語り、それぞれ面白いし、出てくる人物たちも魅力的なので、読み出したら即読めてしまうわね
自分としては、4編目の「一番星」が面白かったし、加藤凛子さんが贔屓。
しかし、自分としては、不満もあったかも。
桜庭さんの過去の作品、例えば「荒野の恋」とかでは、感情移入をできたし、そうそう思春期の頃の気持がそうだったなあとか思ったりしたんだけど、
この作品は、面白いのだけど、人工的な感じがし過ぎて、そんなに感情は移入できないわね
へえーそうなんだ。それはやりすぎだろ、とか突っ込みはできるのだけどね
抜き出してみると
・ たった一年の別れだ。向こうで待っているよ。
こういう格好が良いフレーズが自然に出てくるのが、桜庭さんの凄いところだわね