影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
優しいコメントは大歓迎です。
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サクリファイス
サクリファイス     近藤史恵      新潮社


今年の各種ミステリーのランキングで上位に位置していた本を読んでみた。
この物語の内容は、ロードレースを舞台にした、一人の青年の苦い過去の話を含む成長物語に、ちょっとした謎解きを絡めたものだった。
一応、カテゴリーはミステリーだったので、どこに謎があるんだとか思ったけど、そういう方向に謎があったんだ。
読んでみて、感動したわね。
その人の見えなかった側面が、如実に現れたということなんでしょうか。
それにしても、香乃さんは、見る目がないわね。
もうちょっと惚れる男の選別しないとダメでしょう。(そこは突っ込みところではないかも)

この小説は、スポーツの本質も鋭く描いていたわね。
ロードレースものと言えば、昔マンガで「シャカリキ」というものがあった、あれはあくまで個人での戦いを主としたもので、熱い熱い話だったが、この物話も基本的には、熱血だね。主人公は淡々としているけど、けっこう熱い奴だわ。
なのにふってしまう香乃さん、あんたは本当に見る目がないわね
遠まわりする雛
遠まわりする雛       米澤穂信      角川書店


古典部シリーズの最新刊を読んだ。

この本は、ゆっくりゆっくり、味わうように読んだ。
早く読んでしまうのは、もったいないもんね。

連作の短編集ではあるのだけど、有機的にそれぞれの話は繋がり、過去の話とも繋がっている。そして、古典部の一年をゆっくり描いていた。
最後に奉太郎と千反田さんに岐路が訪れて、この本は終わったわね。
続きがでるのかどうか、微妙だけど、是非書いて欲しいわね。

大げさにストーリーを練らないでも、日常のそこはかとないこと、ちょっとしたことを四季折々に綴り、奉太郎の人生訓を縦糸に描き出していくやり方は、本当に上手いし、凄く共感も出来るわ。
眩しいだけでない、青春時代。
ちょっとしたことに躓いて、道に踏み迷うように、でも着実に将来のことも考える。
若者もいろいろ考えているもんだ(当たり前か)

この本を読んでいると、どんどん千反田さんが好きになってしまうという気にもなるね。

青年のための読書クラブ
青年のための読書クラブ     桜庭一樹     新潮社


この本は5編の連作短編集なのだが、語られている場所は東京の山の手のお嬢さん学校を舞台にしているね。
「マリア様がみてる」みたいな世界が展開されているのかと思ったりするのだが、読んでみると実はそうでなくて、桜庭さんの独特のワールドが展開されているわね。
「赤朽葉家の伝説」と同種の思想を元にしている。
バブルの頃を語るのは、ちょっと極端に、現代、近未来はおとなしくと、

5編の物語り、それぞれ面白いし、出てくる人物たちも魅力的なので、読み出したら即読めてしまうわね
自分としては、4編目の「一番星」が面白かったし、加藤凛子さんが贔屓。

しかし、自分としては、不満もあったかも。
桜庭さんの過去の作品、例えば「荒野の恋」とかでは、感情移入をできたし、そうそう思春期の頃の気持がそうだったなあとか思ったりしたんだけど、
この作品は、面白いのだけど、人工的な感じがし過ぎて、そんなに感情は移入できないわね
へえーそうなんだ。それはやりすぎだろ、とか突っ込みはできるのだけどね


抜き出してみると

・ たった一年の別れだ。向こうで待っているよ。

こういう格好が良いフレーズが自然に出てくるのが、桜庭さんの凄いところだわね
クジラのソラ 04
クジラのソラ 04      瀬尾つかさ     冨士見ファンタジア文庫


この物語も完結したね。

めちゃくちゃ大風呂敷を広げた物語なんだが、登場人物はそのわりに少ない。
非常にアンバランスなんだけど、独特のワールドが展開しており、最後まで楽しく読ませるわね。
痛いとかいう感じがしないバトルは、あくまでゲームという設定があるからかな
なので、親しい人が死んでも、登場人物たちの悲しみに共感もあまりしないという欠点もあるかも。

自分としては、一巻の熱いバトル。ただのゲームの中でワールドチャンピオンを目指すという展開にしてくれた方が好みだったね

それに、おっさんの自分としては、ウルトラセブンのメフィラス星人をどうしても思い出してしまうんだな
作者も、ちょっと意識していたのかな



抜き出してみると

・ 圧倒的な力をもって一方的に蹂躙するのは、それはゲームとはいわない。ゲームてちうのは、お互いに勝つ可能性があるから楽しいんだ。


自分の好き度は7くらいです。
喪の女王 8
喪の女王 8      須賀しのぶ     コバルト文庫


「流血女神伝」の最終巻をよんだ。
この物語の完結は、今年の自分にとってのライトノベル三大出来事の一つだわ。
(後の二つは、「紅」の最新刊が刊行されたことと、「マリア様がみてる」において祐巳さんの姉妹問題の決着)

長い物語だったなあ。
最後にカリエさんはエディアルドとくっついてしまったのね
「帝国の娘」の最初の方で、既に予想されたことだったけど、
やっぱりそうなったのね

この巻でも、多くの者がなくなったし、様々な思惑が交錯した
波瀾万丈の物語をなんとか、折り畳んで完結させたという印象も強かったね。
カリエは、ここではそんなに目立っていなくて、ドミトリアスが最後で、おいしいところを取ったとも言えるわね

いや、それにしても凄い話だわ。
カリエさんの逞しさと屈託なさは圧巻だし、カリエの娘のセーディラが面白そうに育ってきたので、カリエの子供世代の話はあるのかも

自分の好き度は10。
もちろん最高点だけど、長過ぎる話なので、人には薦められないかも