影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
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老媼面
 この話は、燃え上がっていますね。
生活することそのものが火宅なんですね。

安川という男が主人公で、その母が度がつく程のケチであって、子供の時飯櫃をこぼしたとき、自分ではなく飯の心配をするほどだった。そういうことを根に持ち育ち、家を出たのだが、食い詰めてその母の家に転がりこむようになった。
相も変わらぬ母の姿に遭遇するのだが、ある時家にあった高価な書画を売り払うと大金を手にできることを知り、その後は、そういう金で安川は遊び歩くことになり、行きつけの居酒屋の取り残された肺病持ちで、癇癪持ちの娘を連れて帰ってくる。
あくまで、母への過去の恨みのあてつけとして

それだけじゃなく、安川の妻の松江も、安川を憎んでいるんですね。

 恋は清らかなものだ。百合や薔薇がふさわしいのだ。彼女はそれを信じていた。それだのに自分の描く二人の夢はみだらで汚く息がつまった。肉体だけがのたうちまわった。それを思うと松江は無性に口惜しくなるのだ。盗まれた、何もかも、乙女の生活も金も恋も清らかさも。それをみんなあの安川がしたのだ。

松江は、そのタツノという肺病持ちの女が来るときに逃げ出すことを考える。
そして、安川の友人の遠山という男の家を訪ねる。

このとき安川を弁明した遠山の言葉は、説得力はあるのかないのか分かりませんが、安川という男の内面を抉っています。
そんな人を理解してあげなくっていいのにと思ったりして

でも、その言葉で松江さんは、はたっと気づきもするんですね
そこで安川と再び暮らすことにはなるんです。
遠山の言葉には、

・ そのことだって責任の一半はあなたにもあります。なぜって、二人が一緒にくらしているうちは、ときかく一方を全的に許容している理屈以上の事実だからです。ときかく余り、神経をたぶらかせないのが得策ですよ。

このような言葉があります。
現実世界の離婚を考えている夫婦に、遠山みたいな言葉を投げかけると、石を投げられますわね。
でも、堂々とそういう言葉を投げられるのが文学世界なんです。

タツノを巡って、松江と安川は言い争いの日々をするんですね。
当たり前なんでしょうけど、あり得ない不倫関係で争ってしまうんですね。そういう事実はないと松江さんは知りながらね。
そういう最中に安川は

 自分は嘘つきで、浅薄な感傷家で、鼻持ちならぬロマンチストであることを、彼は思いもしなかった。あるがままの姿に於いて、しべてが純粋に受け容れられる素直さのみが分かるのだった。失われた少年の日の思い出のほか、いつの日か再びそれを知りえようと思われた素直さで

ということで、安川は献身的にタツノに尽くす。
どういうことなんでしょうか。
そして、少年の日とか素直と言う言葉が、なんでここで出てくるのかしら。
そのタツノもとんでもない女で

・ タツノには鞭のように強靭な、人に馴れない野性があった。そういうタツノが人に好意を見せるとしたら、好意のしるしに人の眼を突く鳥のように、タツノもこんな表現をとるよりほかに仕方がないのではあるまいか

なんだって。
どういう状況なのか、読んでいて分からないくらいですね。
これぞ極限状況。
安川はタツノに仕えることを

・  奴隷を見下す王女のようなものであった。それはたしかに滑稽だった。然しタツノが手当たり次第の本やインクを投げつけるのを、まるで白痴か不死身のように敢えて怒りもしなければ身もよけもせず、当たるものは勝手に当たらせ、痛む傷は勝手に痛ませ、こうして黙ってたっているのがとりわけ不快なことでもなく莫迦莫迦しいとも思わないらしいと彼は思った。

この先壊れています。
伏せ字が出ています。

・ そういう羞恥が強いだけの助平根性も激しいわけだと彼は誰への気兼ねでもなく、自覚せざるえないのだ。

どうやらエッチな展開になっているとは予想はされるんですが
難解な文章ですね。
エッチしたいということによるお互いの行動だったとみていいのかな。
大人って複雑。
そして安川は、ひょこっと首をくくって死んでしまった。
読んでいて、なんじゅそれは。
遠山の言葉で終わり。
こんな終わり方でいいのでしょうか
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- | 14:40 | - | - | pookmark
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