ビジテリアン大祭(銀河鉄道の夜所収) 宮沢賢治 岩波文庫
昨日読んだ青春祭は、ああいうものだったのだが、
この「ビジテリアン大祭」は何なのよと思って読んでみた。
答えはすぐ分かった。
つまりベジタリアン、菜食主義者の話だったのね。
この話は宮沢賢治のものなんだし、未だ文庫に入っているのだから、凄く有名な話なんだろうね。自分は全く知らなかったわね。
そういう先入観なく読んでみると、げっげっげっというものだったのかも。
カナダ東北部の島のニュウファウンドランド島が舞台なんだね。あの「赤毛のアン」のいたところの近くではないかな。そこの小さな村で祭が行われる。日本代表として派遣された主人公は世界各国から集まった人々と知り合うが、そこにこの菜食主義の祭典に否定的な考えを持つ者の菜食主義を中傷したビラが投げ入れられる。
この祭典が始まると論難反駁という題目があり、なぜ菜食が良いのかと演説するベジタリアン側の世界各国から集まった人間と、それに否定的な畜産協会側の人間のやり取りが行われた。宗教、人種を超え、様々な論点で熱戦が繰り広げられた。主人公も思わず檀上に登り演説をしてしまった。
最後に、ここで非難中傷していた畜産協会の者も実は、ベジタリアン側だと判明した。
内容を詳しく書いちゃった。
賢治さんって熱い人だったのね。
間違った仏教の教えに、東洋人としてそれは違うと語りだしていくところは、思わず拍手。
ただ小説としてではなく、メッセージを読むというようなものだったね。
今の時代なら栄養のことや食物連鎖のことなど、科学的なことをよく知られているけど、この時代にこういう議論をするのは、やはり斬新だったのだろうね