影法師

自分が読んだ本の感想を書くブログです。
優しいコメントは大歓迎です。
<< May 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
 
SPONSORED LINKS
NEW ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
アカウント
広告
MOBILE
qrcode
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | pookmark
いとみち
 越谷オサム     新潮文庫 


久しぶりに記事をアップします

最近本を読んでいないとはいえますが、ちょこちょこつまみ食いはしてまして、最後まで読んでいないので、アップできていないのが、ご無沙汰の理由です

越谷先生の今回読んだ本は、津軽訛りがきつい女の子が、自分の居場所を見つけていく物語でいいのかな

それがメイド喫茶という設定は、今では、少しリアリティが少なくなっているのかも知れません
「ご主人様」と言われて、ぐぐっとくる男性が少なくなっているという気がするのと、萌えのい対象が移っているような気もします

成長物語として勇気づけてくれる話だと思うのですが、設定が古臭く感じるのは、自分だけじゃないような気がします

津軽三味線といえば、マンガの「ましろのおと」が自分は、思い浮かぶのですが、三味線の音そのものの厳しい芸道の世界に生きる若者のその姿と比べて、この小説の主人公は、真っ直ぐですが、そんなに深い芸道の世界に思い悩む女の子じゃないですね。等身大の女子高生です
ちょっと変わった女子高生の日常生活を描いただけの小説なんですね、これは。
それがイイのだとも言えますが、それでどうなんだとも言えそうです。
ピアニッシシモ
 梨屋アリエ     講談社文庫


自分は、適当に本を選んで読むのですが、何となく面白そうなんじゃないかしらというのが、判断基準なんですが、この本は、スラスラ読めましたし、考えさせられるところもあり有益な時間を過ごせたと思うのですが、

何で、そうなるのかなあ。というのが、読後の感想です。

大人たちが、思っている以上に、少女たちは、自分を過大視もしないし、独自の価値観で生きている、
ですが、親たちが、作り上げた価値観に、引きづられる、上流の金持ちでも、ど庶民でも、それは変わらない。
他人が、素晴らしいと思える環境をもってしても、それで満足しないし、ダメ男に騙される。
もう一人の主人公の、庶民の方の松葉は、地道ですが、破天荒にはなれないのですが、紗英との交流で、自分を変えるチャンスを得る。
どういう風に変わっていくのかは、未定なんですが、着実に生きていけそうと思わせるのは、微笑ましいです。

それにしても、最近の大人は、子供と変わらないですね
人間的に成熟する道を歩んでいないみたいです
ひな菊の人生
吉本ばなな  〔イラスト〕奈良美智  幻冬舎文庫


奈良さんのイラストが目に付いたので、読んでみました
吉本ばななさんの本であるのだと、購入後知った
文庫でえらい安い画集をだしているのだと思ったのですが、吉本さんの本がメインですよね

実にお得な本だと、いたく感心

内容は、暗い悲痛な話ではありますけど、主人公の女性が、強い心を持っているので、全然たいしたような気はしません
本当に不幸な人というのは、淡々と日常を生きているもので、あまりきゃぴきゃぴしていないものでねえ。

分かる人に通じればええ、ブラジルに行ってしまった。かっての友、もしかしたら友じゃなく、幼馴染に過ぎないのか、とよく似た人生を淡々と送り、その死も悟る。
そこに深い意味があるはずなんですけど、別に探ることもせず、そのまま放置。
やきそばを焼くその焼き具合だけに注視して送り、気になる男性との距離も、近づきもせず、遠ざかりもせず、なんやねんですねえ

でも、こういう風に淡々と日常を送ることに、共感はしますよね
感情を波立たせ、いらいらしながら送る人生というのは、考えてみるとツマラナイものですもんね
桐島、部活やめるってよ
  朝井リョウ       集英社文庫 


話題の小説を読んでみた

これは、凄いですねえ
本当に凄い。何が凄いのかを伝えるのは、中年のおっさんには難しいのですが、ティーンの間では自明なものなのかも知れないですね
自分たちの中高生の時も、教室内格差は、確かにあったし、いけてる生徒は、それなりの奴とくるんでいた。けど、中学から高校へ行くとき、高校から更に進学、就職していく時に、ばらけていった。
つまるところ、上へ進むプレッシャーが、昔の方が強かったような気がする。
それなりに、学生生活を謳歌している奴は、そこで進学等を諦めてしまったと言える

それは、昔の方が、受験戦争が厳しかったからなのだろうか。
少なくとも、昔は、推薦枠などというものは、少ないし、大学数も少なく、生徒は多かった。受験にかけている学生は多かったとも言えそうです。

それと、昔の運動部の部活は、お馬鹿だったとも言えそうです。
先輩に絶対服従、規則にがんじがらめであったとも言えるかも

この小説の、桐島くんは、題名になっているけど、全然活躍していないのも面白いですね
一人のいけている場にある生徒が、そうでない存在になった時に及ぼす他の生徒への影響を描いています
教室内にはっきりした格差が存在し、その線を踏み越えないように送る。
そこまで過敏に過ごしても、それはその学生生活の場だけでしか有効でありえないという自覚が少ない。
その場のみを謳歌することだけが、重要なことなのか

かりそめの時を生きる、それが青春なのだともいえるのだけど、小説内の登場人物たちが輝いているように思えたのは確か、

八甲田山死の彷徨
 新田次郎     新潮文庫  


少し前にBSで放送していた映画の原作が気になりまして、読んでみました。
その映画は、高倉健さん主演でありまして、その独特の風貌に圧倒されるところもありまして、遭難よりも、健さんの男気ある行動に焦点も当てているようでして、第五連隊の遭難の様が、若干卑小化されていたのかも。
実際的には、健さんを外しては、この陰惨な物語を映像化は、無理だったとも言えそうです

映画では、遭難し、救助隊が出動し、遭難の主原因を作った大隊長が自殺して話が終わってますが、原作者は、この話の登場人物のその後、この遭難が当時の社会に与えた影響、後のロシアとの戦争と絡めて語られており、そこは過不足なく描かれていましたね。、名作はかくあるべきと言えそうです

日露戦争は、輝かしい戦争であり、第二次世界大戦は、悲惨な戦争。坂を上っていくような明治と、坂道を転がり落ちそうな昭和。
そういう対比で、語られることが多々あるのですが、明治も昭和も、駄目なところはあり、同じ日本人、同根の問題を抱えていたのだという証拠であるような気がします
要は、多面的にもの捉えるツールを多く持つことが重要だということか。

雪山では、当初に数回の判断ミスが取り返しのつかなくなるというのは、実に怖いところだと思いましたね
キシャツー
 小路幸也    河出書房新社 


この小説は、夏休み、海岸でテントを張っている少年をみつけた、高校生の男女の出会いの話なんですが、少年がそこにいる理由が、生き別れた義理の姉を探す為にやって来たというもので、地元の高校生が助けてあげるという話でした。

自分は、読んでいて、他に何か隠された意味が、この物語にあるに違いないと、思って読み進めていたら、そのまま別れがあり、終わってしまった。
ひと夏の出会いと、無償の交感だけを描いた話だったみたい。

それで、読者が付くのかというのは、野暮なんでしょうね
今は、こういう何もないけど、若さと無償の行き交いが重要な時代なんだなあと納得。

おじだんの自分には、少し眩し過ぎる話なのかも
ナミヤ雑貨店の奇蹟
 東野圭吾     角川書店 


さすが東野先生の本でした。面白かったので、あっというまに読めてしまった
ですが、その面白さの質は、人それぞれでしょうね
時空を超えたファンタジーものとも言えるのですが、人生相談もの、真面目に生きる市井の人の人の繋がりというのを大切にした話のような気もするし、昭和のクロニクルものとも言えそうですね
自分は、やっぱりナミヤさんの人生相談の話のやりとりのところが、面白かったですね
微妙にズレテいるところが楽しかったと思います

テクニカルな部分の多い話ですし、いろいろな角度があるし、年代も変わる。そこを繋げて読ませる話にする手腕は、大したものだとは思うのですが、個人的には、そんなややこしくしないで、シンプルな受け答えばかりの話の方が、好きですね
それを言ったら、この話成り立たないじゃん。奇蹟にならないじゃんとも思うのですが、どうでしょうねえ
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 」  その2
 村上春樹    文芸春秋


夕方過ぎになって、アマゾンでも一杯レビューされまして、内容がどういうものなのかも分かってきているので、自分も落ち着いて、この本について少し書いてみようか

ブームになっているので、普段本を読まない人も読んでいるようで、よく分からないけど面白いなんていう。ミーハーそのものの発言もあるみたい
一般人は、それを仕事にしている訳ではないのだから、自分の理解できるところ、面白いと感じたところだけを味わえばいい。本来全体的にどうだ。この本は何を語っているのかを、一般的見解を知る必要はないです

でも、横並び意識をしがちな日本人の傾向として、内容がどうなのか、自分の読み方が、普通と離れてしまっているのではないか、おっかなびっくりな人が多いようです
当ブログも朝の更新時以降、かなりのあらすじがどうなのかという検索による訪問がありました
これは、自分の予想通りでした

あらすじは、題名にそのまま書いてますね

高校時代の仲良し5人組。男3女2のグループから、主人公多崎つくるは、地元を離れ上京後の大学に入学後外されてしまう。つくるは、自殺も考えるほどショックを受けるが、立ち直る。そして16年後素敵な年上の女性を巡り合い。自分がどうして仲間を外されたのかの理由を探ることになる、昔の友人を訪問し、その現況を知り、どうして自分が外されたのかの真の理由も知ることになる

書いてしまって拙いのかも知れないけど
一応書いておきましょうか
リストの「巡礼の年」が今回使われていますね。プレスリーの「ラスペガズ万歳」もそうなのかな

この本は、箴言が散りばめられておりまして
つくるさんの大学の後輩の灰田くんは、歩く名言と言いたくなるくらい
良い言葉を沢山述べてくれます
こういう後輩持ちたいものですねえ

・ 限定して興味を持てる対象がこの人生でひとつでも見つかれば、それはもう立派な達成じゃないですか

灰田くん。その父親の話は、印象的ですし、とても大学生が語るような内容ではなく、人生を達観したある高みのある人のような言葉のような気がしました
こういうところが、村上先生の本の面白いところですね。それが、メインストーリーに結びついているのかどうかは、はっきりしません。そこは、読者がどう捉えるかに変わってくるようです。
高校時代の同級生のアオもアカも、自らの言葉で、つくるさんと語ります。
日本の一般的中年男子同様。自分の仕事の内容から離れることができないのが、珍妙なんですが、視点を変えれば、誠実のそれぞれの人生を生きてきたとも見られます
村上先生のものの見方が、そこのところに垣間見れるかも知れないですね。普通の人の普段喋っている言葉を重視し、愛着を持つようになっている。傍目からは、おかしい。海外では、日本の男って変と言われそうですが、日本の男というもは、こんな感じだが、愛すべき者たちなんだと自分は、捉えました。
アカもアオも、繊細で他人から見ることのできない側面も持ち、内面豊かな人物なんだと実感できました。
中年の自分は、こういうところは、共感できましたし、こういう側面も村上先生になるのだと嬉しい驚きでした。

問題は、高校の同級生の残り二人の女の子と、今のガールフレンド沙羅さんですね
沙羅さんが、良い女なんですね。この本は、沙羅さんへの求婚活動を述べた話だと簡潔に言えそうなんですが、沙羅さんの造形も村上先生の女性を見る視点の移り変わりがあるのかも知れませ。
本人曰く、昔はけっして目立つ容貌ではないはずの沙羅さんが、実に魅力的に書かれているのに対し、高校時代の美少女だったはずのシロさんが、埋没していく過程。そこが、この本の大きなポイントになり、つくるさんの知らないところで、その事実があってしまった。
その原因は、巧妙に伏せられているように思えました、時間が経てば重要ではないことだったのかも知れません

なんだかんだ言っても、つくるさんは、夜間の船のから海に投げ出されてもなんとかやっていけそうと友人たちからも思われているようですし、本人は謙遜してますが、そこそこ裕福な家庭のイケメンで、親戚に有名人がいたりする人です
ハイスペックな人です。
あんたなら何とかやっていける。
それを言ったら、物語にならないのですが、でもそうなんですね
つくるさんは、どんどん受容力のある人になっていきます、そういう意味では、ビルディング小説ですし、読後は爽やかかも知れません
シロさんが、どうしてそうなったのかという謎は残りますけどね
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
  村上春樹    文芸春秋


本日発売日の本を読んでみた
宮崎は本の出版が2、3日遅れるのですが、発売日の早朝には、手に取ることができた
これって快挙なのかしら
即読んでしまいましたのですが、アマゾンのレビューでは、

三年ぶりの書き下ろし長篇小説

だけしか書かれておらず、内容について、今書くのは、フェアーではないのかも知れませんね
書きたいことはいくらでもあるし、この本は、久しぶりに、自分としては、村上先生の本の中では、気に入りましたね

作家は、自分の過去の作品を模倣ばかりするものなのかも知れません
「ノルウェイの森」に似た雰囲気、ストーリーなのかも
ですが、主人公のつくるさんは、自律していますし、自分の人生をしっかり掴めそうです。その試みは、上手くいったのは、書けないですねえ

巡礼の年の意味くらいは書いていいのか、ダメなのか

もう少し落ち着いて、いろんな人が感想を書いて、世間で評判になった頃に、もう一度、この本については書いてみよう
今回は、単に読みましたと、
それじゃただのミーハーですね、
ことり
 小川洋子     朝日新聞出版


この本は、書き下ろしなんですね。
小鳥を飼っている人、小鳥を好きな人にしか需要がなさそうな内容なんですが、少なからずの人の心に響く話ですね
特に、中年以降の読者には
自分も、年をそれなりに取っておりますので、この物語世界には、多くの共感を得ました

人間の言葉を喋れなくなったお兄さんとの暮らしの日々。
図書館司書さんとの、ふとしたやり取り、そして小父さんを看取る小鳥。
出てくる者のさりげない優しさ。心なき人のふとしたふるまい。
さざ波のように、小父さんの世界に波紋を与えます。
小父さんは、けっして強い人ではないし、感受性も豊かな人なんですが、その小さな世界は、日々移り変わっていきますね
外の世界は、良いようには変わっているようには思えませんし、思いやりのない人も多くなっているような気がします。

幸せについて考えさせられますね
自分なども庭木を見て、花を咲かせるものばかり優遇しているような気がしますし、綺麗なものばかりに目を向けているのですが、全然目立たない草木も、それなりの変化し、日々成長しているのだと思えるのは、確かに重要なことではありますね
人為的な努力で協和できる世界。手の届く世界を綺麗にかたずけること。小父さんが鳥小屋を綺麗に掃除することの、かけがえのなさ。に思いが至りますね
いろいろ考えさせられます。