煌夜祭 多崎礼 C・NOVELS 中央公論
一部で高い評価を得ている「煌夜祭」を読んでみた。
噂に違わない高レベルな物話だ。
内容は、
十八諸島という世界の中での話で、語り部という存在が、冬至の夜に、魔物が人を喰わせい為に物語を語るというのような語なんだが、その語り手自身にも謎があり、ひねりがあったりする。
この謎は、物語を読む醍醐味でもあるので、ばらさない方が良いので伏せます。
とか言っているとほとんど内容について語れてないわね。
「煌夜祭」の中の短編が、それぞれリンクしていき、最後に昇華していく過程は、先入観なしに読んで欲しいわね。
一八諸島という舞台、魔物の存在。語り手。こういうのは文化人類学で有名な「クラの交換」を連想させるけど、どこか中世ヨーロッパ風な感じな世界でもあるね。
ちょっとバター臭い感じはするわね。
出てくる人物は魅力的だが、多くが不幸なのは読んでいてちょっと辛かったね。
自分が一番気になったんおは、やはりクォルンかな
いろいろ抜き出してみると
・暗闇の中に光が見えれば、人間だってそちらに足を向ける。魔物は人よりも、はるかに長い時間を暗闇の中で過ごすんだ。より光に魅せられるのは当たり前だろう
・弱者にとって戦は常に理不尽なものだと、死んだ養父が申しておりました
・戦争に、幸せな結末などあり得ない
・この世界に無駄なものなど何もない。この世界にあるものはすべてには、存在する理由がある俺のような役立たずにも……お前のような魔物にもな
この記事じゃまともな感想記事じゃないわね。でも虚心に読んだ方が良い話なんだから仕方ないかもね
自分の好き度は9くらいかな。