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本屋に行くと、マリア様がみてるシリーズの最新刊が平積みされていた。
久しぶりだと見かけて嬉しかったですね
レジに持っていくとカバーをつけましょうかと言われてしまうし、後ろに並んでいるおばさんから怪訝な顔で見られているような気がしました
最近は腹が据わったのでそういうことで動じることはそんなになくなった
短編集なので、雰囲気を楽しめたというだけのような感じでしたね
最初から順に読んでいくというより、ところどころ気になるキーワードを手繰っていくというような感じて楽しみました
祐巳さんも堂々としてきました
落ち着きがでてきたというのかな
最後の祥子さまとの会話でも、変なところは見当たらなくなりましたね
庶民派お嬢様というより、普通の上品なお嬢様になってしまったような気がしますね
話のストックはもうなくなったらしいので、このまま物語はフェイドアウトしていくのかも知れないし、忘れた頃に再開するのかも知れないですね
このブログの感想記事は、自分の備忘録に過ぎないので、面白かった。つまらなかった。
くらいのコメントでもいいのですけど、様式化して書いていることもあり、余分なことを書いてしまうことも多いですね。
「マリア様がみてる」の新刊「リトルホラーズ」は楽しみにしていたのですが、読後の感想は、なんじゃこら。です。
別に面白くないという訳でもないんですよ。それはそれで十分堪能もしたんですけどね
この世界の重心が、紅薔薇姉妹から黄薔薇姉妹へ移行しつつあるということなんでしょうか。
自分は断然紅薔薇派なので、この展開は、ちょっと。
それに、過去に「インライブラリー」という巻があって、それは消えしまった祥子さまを探すというだけの話だったのですけど、この新刊もそういうような感じでした。
大きな事件が、新年度になったことからあったはずなんですけど、そこを見事にすかした感じがします。
次巻に自分は期待します。
「マリアさまがみてる」のスピンオフシリーズの二巻目を読んでみた。
安来節、推理小説同好会とかは、マリア様の方にも出てきましたね。
それぞれ祐麒くんの方でも因縁があったみたいですね。
一応主人公は、祐巳ちゃんの弟の祐麒くんなんだけど、柏木先輩が存在感が有りすぎて、脇役にしか思えない。
祐麒くんは、マリア様の方では、おっとりした感じなんですが、内面は男らしいですね。こちらの祐巳ちゃんも姉らしくしっかりものみたいな感じで描かれております。
ちなみに私事ですが、自分は男子校出身です。
男だけの集団においては、こんなに暑苦しい人間関係にはなりえないと思います。
我関せずが、普通の男子校の学生のスタイルだとは思うのですけどねえ。
この学校は、暑苦しいですね。
そこにぴったりしている、光の君こと柏木先輩、アンドレ先輩とか、あんたたちなんなんですか。
と問いかけたい。
普通の男の子の祐麒くんの普通ぽさが、そこで際立ってはいます。
・ 柏木先輩が家から持ってきたという弁当は、入れ物に負けず劣らずすごい弁当だった。二段重ねで、上のおかずスペースには大きな海老フライ、ジャガイモフライなどの揚げ物、野菜の煮染め、具
だくさん玉子焼き、蛤の佃煮、漬け物などを彩りよく詰められ、下のご飯は俵型のおにぎりが五個、それも筍ご飯、梅紫蘇ご飯、菜の花ご飯、ちりめんじゃこご飯、海苔で巻いたご飯でできている。
という凄い弁当から、祐麒くんは、つまみ食いをしてしまう。
もちろん善意からの行為なんですが、それはまずかった。
無意識に騒動を巻き起こしてしまう性なんですね。祐麒くんは。
もちろん柏木先輩は、悠然自若。
祐麒くんを助け、励ます仲間たち。
男子校というサバイバルの中を雄々しく立ち上げる若人たち。
そこにちょっと喜劇的要素が加わるのが、リリアン女学院とは違うのですよね。
失笑成分が入ってしまいます。
自分の好き度は8くらいです。
「3月とライオン」が自分的に大ヒットだったのですが、同じ作者のとっても有名な「ハチミツとクローバー」は、以前読んだことはあるのですが、さっぱり分からない。自分的には難解な作品だったのですね。
せめて、どういう内容なのかと、ドラマ等も見てみたのですが、やはり、なんのこっちゃ分からない。
美大を舞台にしている話で、せっせと作品作りに勤しんでいる学生の話みたいだということは分かったのですが、この話のどこが人々を惹きつけるのだろうか。
というところは、やっぱり分からずじまい。それにそのドラマも、面白いのかどうかも分かりませんでしたね。
これはいかん。流行に取り残されてしまう。(別に取り残されてもいいのでは、と心の声)
活字なら、どうだ。
ということで、この本を読んでみました。
どういう話か、分かったわん。
やりー。(おいおいレベル低いぞ と心の声)
つまり、ですね。失恋というか、恋するせつなさを描いている話だったのですね。
美大っていうことろは、皆目どういうところか知らないのですけど、才能ある人、こつこつ勤勉な人、普通の人たちが同居しているところで、他の大学の学生とは、ちょっと違っている感じがしますね。
誰にも、インパクトがあり、凄いと言われる絵。
そういう凄さを、普通の人よりも実感できる幸福と不幸。
そして、恋をしてしまった青年と女の子。
なかなか微妙なところを揺れ動いておりますね。
羽海野先生のマンガなら、そういう内面もより深く描いているのでしょうね。
このノベライズでは、もっと直裁的に、どういうポイントで悩んでいるのが分かりました。
自分的には、これでオケーですが。
活字にしてしまうと、竹本くんの存在感のなさは、際立ってしまいますね。
辛いですよね。もっと、ばばーんとできないのでしょうかね。
シンデレラ迷宮 氷室冴子 コバルト文庫
高名は伝え聞いていたが、なかなか手に取ることが出来なかった名作を読んでみた。
ネット時代って良いですね。
探せば、絶版になってしまった本も、なんとか手に入ることができるんだもんね。
と言っても、どういう話かほとんど知らないで読んでみると、時代性に大きく影響された話でもあると分かりましたね。
80年代の薫りがします。
あの時代を知らない若い世代よりも、その時代を生きた世代にとっては、胸がきゅんとしてしまうかも知れませんね。
80年代初頭というのは、女性がどんどん社会に進出していった時代で、日本を飛び出して、外国にも旅行にどんどん出て行き始めた時代でしたね。
特別の才能も資産もなくても、普通のお嬢さんたちが、どんどん外国に行けるようになった。
今まで家庭に縛り続けていたであろうと思われた桎梏から解放されたというような感じをした人も多かったのでしょうね。
でも、まだまだ現実はそうではなくて、「想い出つくり」などというドラマも作られ、そういう女性たちを描いていました。
この物語では、海外どころか、過去の名作物語の中に、主人公の利根さんは、突入してしまいます。
記憶を亡くした利根さんが訪れた世界では、物語の主人公よりも、主人公の敵役みたいな立場の者たちに、大きく共鳴させられるような描かれ方をしています。
白雪姫の継母の心情をこれほど深く描かれるとは驚いたし、それに対して王子の利己的な側面も描かれ、男としてはなんとも言えない気にもなりますね。
更に、利根さんは、この後「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「ジョーン・エア」の世界の登場人物たちの生の声を聞いているうちに、自分の記憶も思い出してくる。
そして、どういう行動をするのか?
実に重苦しい話でもありますね。
でも、昔の少女たちは、こうのような素晴らしい物語を、その後の人生の糧にできたという羨望も感じましたね。
昔この本を読んだ人は、今もう一度読み返すという楽しみがあります。
では、今の世代の若者ならどう読むのでしょうね。
ちょっと取っつき難い話だと思うのかも知れないですね。
アンゲルゼ 永遠の君に誓う 須賀しのぶ コバルト文庫
完結しましたが、ハッピーエンドではなかったですね。
この作品は、世界の危機とか、人類の存亡を賭けた戦いを描くのが主ではなく、一人の少女の悲痛な運命と成長を描いたものでしたね。
なので、戦いそのものがインフェレーションすることもないし、淡々としたあり得ないくらい辛い宿命すら、日常的に描きだしているのは、かえって読む者の心を打ちます。
作者が描きたいところを、的確に抽出し、読んで欲しいところを、伝えることにブレがないところは、見事です。
最後に覚野くん、湊くんが、10年後に相も変わらぬ姿で、対峙できているということは、陽菜ちゃんの努力が結実しているという証拠でもあるのですが、約束の時間を過ぎても再び会いに来られないことは、必ずしも思い通りにはいっていないことを暗示していますね。
希望は、まだまだ残っていますが、未だ達成できていないということなんでしょうね。
自分の好き度は9くらいですね。「喪の女王」のときより減退していますが、やっぱり悲しい話は苦手なもので
マリア様がみてる ハローグッバイ 今野緒雪 コバルト文庫
新年明けまして おめでとうございます。
新年になって、漸くブログを更新していけそうです。
これからぼちぼちやっていこうと思っています。
この巻の「マリア様がみてる」は、祥子さまが卒業がメインでしたけど。由乃さんのスルー問題の方が印象に残ってしまいましたね。
あっさりしていましたが、卒業式というのは、そういうものかも知れませんね。
過去の出来事が、あれこれ思い出されるような描かれ方は、この物語を好きな者にとって感慨深いものだったし、祥子さまが昨年の卒業式のリベンジを果たすというところは、穿った見方をすれば、どうしてなのかなと思ってしまったりもするんですが、過去のそういう痛恨事もしっかり払拭せずにはいられないところが、祥子さまなんですね。
その祥子さまも卒業。
物語も一段落ついたのですが、祥子さまがいない「マリア様がみてる」って、何かが足りないと思ってしまったりもしますよね。
新入生に、とてつもないお嬢様が、また登場するのでしょうか。
・ あれは聖ヴァレンティーヌスの悪戯ですから
ヴァレンティーヌス事件のあの人が出てきました。
・ ゴロンタ。お前だったの
猫のゴロンタも登場。聖さまになついていますね。
3冊目を読んでみた。
陽菜ちゃんの周辺がとんでもないことになっているね。
あっさり戦場とかにも行っているし、いじいじしていた性格も明るくなっているような気がしますね。
対して、もーちゃんこと覚野くんは、自分の気持ちをしっかり伝えたりもしていますが、空回りをしていますね。
所詮人間の限界なんでしょうか。
そういうように言ってしまえるアンゲルゼの存在が身近にあったりして
淡々と月日が過ぎ去っていこうとしているところが、上手いですね。
若者にとっては、他人言といってしまいたい現実なんですが、いつか知らないといけない現実なんですね。
・ おまえらなぁ……何こっぱはずかしいこと廊下で叫んでんだ。青春もほどほどにしろ
・ でしょ! 陽菜ちゃんならいつか必ずトウガラーになれると思っていたわ
自分の好き度は8くらいです。
マリア様がみてるの姉弟版。
祐巳ちゃんの弟の祐麒くんが主人公。
そんな人を主人公にして大丈夫なんだろうかと思っていたら、脇にあの柏木先輩とかがいてたりしたこともあり、安心して楽しめたかも。
紅か白ということで、学生を分かつ花寺学院というところも、かなり変わった高校ですね。
仏教系の男子校出身である自分からすると、学校の諸々の出来事にに拘ることはないのが、男子校なんだと思ったりもするのだけど。
男子校というのは、良きも悪しきも、お互いに対しても無関心なところだと思うので、花寺学院みたいな男子校は大変貴重だと思いますね。
そこに君臨する柏木先輩。実に奥深い人物ですよね。「マリア様がみてる」の方では、道化師的な扱いなんですけど、こちらでは絶対権力者だね。追従者も従えているし、祐麒くんとの格差はかなりあるみたい。
この話での祐麒くんも、「マリみて」においての祐巳ちゃんの物わかりの良い弟という役割よりも、ちょっとダークな面を持つ屈折した性格に描かれている。
挫折した男の、ちょっとビターな一面。なかなかいい男に思えたかも。
ニューキャラもいろいろ登場したし、既存のキャラの登場の仕方にもフレッシュさを感じていろいろ楽しめましたね。
こちらもシリーズ化するみたいなので楽しみですね。
祐巳ちゃんも、思ったよりしっかり者のお姉さんとして描かれていたのも良かったですね。
自分の好き度は9くらいかな。
やっぱりこの世界は、自分は好きですね。
それと蛇足になりますが、自分の以前の記事で、平家と源氏の色を逆にして記事を書いてしまっていたみたい。こんなところで発覚して恥ずかしい限りですね。